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米ゼロ金利継続 雇用回復に全力 長期戦覚悟、利上げ「検討すら考えず」

 FRBのパウエル議長(ロイター)
 FRBのパウエル議長(ロイター)

 【ワシントン=塩原永久】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は10日、「焦点は労働市場の回復だ」と述べ、雇用改善のために政策を総動員する方針を強調した。新型コロナウイルスの悪影響で悪化した失業率は、5月に改善したが、先行きには「不確実性がある」と警戒。当面は利上げの可能性を封印し、企業の資金繰り支援の拡充にも意欲を示した。

 「利上げを検討することすら考えていない」

 パウエル氏は記者会見でそう述べ、FRBの任務である「雇用の最大化」のため必要なら躊(ちゅう)躇(ちょ)なく追加策を実施する姿勢をみせた。

 新型コロナウイルスの感染を防ぐ外出制限や営業規制で、失業率は4月に14・7%まで悪化。さらに上昇するとみられた5月、逆に13・3%に改善した。パウエル氏は「最大の驚き」だったと振り返り、雇用情勢は「底を打った可能性があるかもしれない」とした。

 また、自動車販売や小売業界で「わずかな回復」がみられると指摘し、感染者数の減少にともなう経済活動の再開を歓迎した。

 一方、2千万人以上が職を失い、労働市場がコロナ禍以前のような良好な状態に戻るのは、きわめて難しいと指摘。雇用改善に向けた取り組みは長期戦になるとの認識を示した。

 5月中旬以降、米株価は上昇基調を強めている。経済再開をめぐる市場の楽観ムードが背景にあるが、パウエル氏は、景気回復までには「長い道のり」があるとくぎを刺した。

 FRBは3月以降、金融市場を安定化させる資金供給策を矢継ぎ早に実施。ジャンク債(投資不適格)と呼ばれる投資に不適格な社債も買い取る異例の対応に出た。パウエル氏も5月末の討論会で、「複数のレッドラインを越えた」と認めたが、FRBは一段の対応強化も辞さない構えだ。

 こうしたFRBの姿勢も株価を押し上げているが、同氏は「資産価格が過度に高いと考えたとしても(景気を後押しする政策に)尻込みする」ことはないと強調。雇用改善を優先課題に位置づけ、金融緩和を維持する姿勢をみせた。

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