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新興国、デジタル課税への動き広がる

 米通商代表部(USTR)が2日、通商法301条に基づくデジタル課税について調査するとした対象には、インドネシアなど多くの新興国が含まれた。これら新興国は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で財政が悪化しており、米IT大手からの税収へ期待を強めている。一方、デジタル課税をめぐる国際ルールの合意形成は新型コロナの影響で遅れており、勢いを増すデジタル分野での国際協調を難しくするリスクが懸念されている。(ロンドン 板東和正、シンガポール 森浩)

 インドネシア政府は5月15日、7月1日から国外のIT企業が提供するデジタル製品やサービスの売り上げに10%の付加価値税(VAT)を課すと発表した。動画や音楽の配信やゲーム販売などが対象となるもようだ。政府は新型コロナの影響で今年の歳入が1割程度減少すると予想。インドラワティ財務相はデジタル課税は「ロックダウン(都市封鎖)で人々が家にいることによる消費の変化を確実に捉えるものだ」と述べ、税収増加に期待を寄せた。

 フィリピン国会でもデジタル課税導入に向けた法案の審議が始まった。国外企業のデジタル事業での収入に12%のVATを課すことを目指しており、成立した場合、年間約291億ペソ(約620億円)の税収を見込んでいる。推進派議員は、新たな税収によって「新型コロナ対策の支出が相殺できる」との見通しを示した。

 新型コロナを受けてデジタル課税に踏み切る動きはアフリカでも広がっており、ケニアも5月、オンライン取引額の1・5%に課税する方針を決めた。

 新興国が前のめりで課税を強化する背景には、外出自粛による「巣ごもり」でデジタル製品やサービスの売り上げが伸びているからだ。米マイクロソフトが4月29日に発表した1~3月期決算の最終利益は前年同期比22%増の107億5200万ドル(約1兆1千億円)だった。米交流サイト大手フェイスブックは約2倍の49億200万ドルの最終利益を確保した。英国のIT専門家は「堅調さが際立つIT企業にできるだけ多くの税金を払わせて財政を確保する新興国が増える傾向にある」と分析する。

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