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【経済#word】食料安定供給不安 コロナ余波 輸出国が規制

 08年は、米原油先物が7月に1バレル=147ドルの史上最高値を付けるなど、原油価格が急上昇していた。これが一つの呼び水となり、トウモロコシなどを原料とするバイオ燃料の需要が増加し、穀物価格を押し上げた。穀物市場への投機マネー流入も拍車をかけた。

 一方、足元では大豆や小麦、トウモロコシの国際価格は落ち着いている。穀物価格との連動性が指摘される原油価格も、各国の移動制限で、米原油先物が4月に初めてマイナスを付けるなど記録的な安値圏だ。

 一見すると08年とは様相はだいぶ異なるが、局地的には気がかりな点もある。

 米国では、大手の食肉処理場で従業員の新型コロナへの集団感染が相次ぎ、工場が閉鎖に追い込まれるなど、食肉供給への懸念が浮上。トランプ米大統領は戦時に制定された国防生産法に基づき、食肉処理業者に対し市場への供給継続を命じる大統領令に署名した。

 また、アフリカ東部や中東イエメンでは、大量発生したバッタが農作物を食い荒らす被害が拡大。アフリカ東部では今年後半に2500万人以上が食料不足に直面するとの見方もある。

 農林中金総合研究所の平澤明彦基礎研究部長は「通常、食料危機はいくつもの要因が重なって発生する。今後さらに別の問題が加わったときに何が起こるか、注視が必要だ」と語る。

心もとない自給率

 農水省は、食料の安定供給を確保する上では、国内の農業生産の増大を基本に据え、これに安定的な輸入と十分な備蓄を組み合わせることが肝要としている。米国など主な輸入先とは良好な関係にあり、コメや小麦、飼料用トウモロコシなどは国全体で備蓄がある。

 ただ、食料自給率は心もとない。熱量で換算するカロリーベースでみると、平成30年度はコメが大不作となった5年度と並ぶ過去最低の37%に沈んだ。日本の食料自給率は、先進7カ国(G7)では最低水準だ。

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