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【新章 働き方改革】ITジャーナリストのポイント解説(4)「一体感を醸成するビジネスチャット」

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 テレワークの本格化に備え、モバイルデバイスやクラウドサービスの次に導入したいのが「ビジネスチャット」ツール。私生活で身近なLINEなどチャット(おしゃべり)形式のコミュニケーションを社内外で実現するものだ。メールよりも迅速かつ組織横断的な情報共有ができ、ITのみならず金融や製造業など幅広い業種で急速に普及している。チームの一体感やコラボレーションを醸成するインフラとして、テレワークにも必須になりつつある三種の神器の一つだ。

ポイント1:トップでも他部門でも情報共有できる「全社導入」

 ビジネスチャットの先駆け「Slack(スラック)」を例に、主な特徴を3つ紹介する。まず、1対1はもちろん、大人数でも双方向のコミュニケーションができる。メールは宛先に「CC」などを追加しても、基本は発信者からの一方的な情報の伝達。だが、スラックは部門別やプロジェクト別に「チャンネル」と呼ばれる会話の場を設け、参加者が自由に発信し、返答する。

 次に、迅速でリアルタイムなやり取りが可能になる。チャット形式なので「お疲れ様です」など定型のあいさつが不要になり、スラック上で会話しているような感覚だ。最後に、部門や階層を越えた横断的な情報共有がある。メールのように個人や部門に紐づける必要がないので、チャンネル内のやり取りは透明性が高く、社内全体に公開することも可能だ。

スラックはチーム別、プロジェクト別などにチャンネルを作成し業務を効率化できる
スラックはチーム別、プロジェクト別などにチャンネルを作成し業務を効率化できる
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 このように発想は私生活のチャットアプリの延長線上にあるので、使い方は難しくない。導入のポイントは「全員参加」が可能かどうかだ。

 例えば、ある音楽制作大手は新社屋建設時に、全社的にフリーアドレスを採用するとともに、ビジネスチャットツールを導入した。フリーアドレスで職場の垣根をなくす一方、情報共有やチームの一体感の醸成に支障をきたさないよう配慮したという。全社で導入しているので、トップからの指示も各社員に一気に伝わるほか、他部門の動向もチェックできる。結果、在宅勤務になっても、「いままでと働き方は変わらないし、取り残されている感じもない」(関係者)

 テレワークは各社員が分散した環境で働くため、社員が疎外感を抱くなどチーム力の低下が懸念される。これに対し、ビジネスチャットは気軽な双方向のコミュニケーションを可能にするので、社員のコラボレーションを後押しし、勤怠管理にも活用できる。

ポイント2.多様なツールのどれを選ぶか

 ビジネスチャットの普及に伴い、ツールも多様化している。米シリコンバレーから火が付いたスラックが圧倒的なシェアを誇ってきたが、最近はマイクロソフトの「Teams(チームズ)」が巻き返してきている。

 スラックは2000以上の外部アプリと連携し、さまざまなサービスを提供する一方、チームズはマイクロソフトが持つアプリが強みになっている。特にテレビ会議システム「Skype」を統合しているため、最近の在宅勤務でも注目が集まっている。

 ほかにも、チャットやスタンプなどに加え、掲示板やアンケートなどビジネス機能を充実した「LINE WORKS」。日本発の「Chatwork(チャットワーク)」などがある。

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 企業規模や予算などの選択基準はあるが、テレワークでもチーム力を高めるには直感的な使いやすさや、使用頻度の多い機能などがどれだけ社内に根付かせられるかがカギになるだろう。

ITジャーナリスト 田中亘(たなか・わたる)
 1961年、東京生まれ。パソコン販売、ソフト開発などを経て、1989年からITライターとして独立し、「できるWord」シリーズなど著書多数。

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