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経済と防疫、両にらみ 患者急増なら医療逼迫 34県で緊急事態宣言解除へ

特定警戒都道府県以外の34県の1週間の感染者数
特定警戒都道府県以外の34県の1週間の感染者数

 新型コロナウイルスの感染拡大で今月末まで延長された緊急事態宣言は14日、重点対策が必要な「特定警戒都道府県」を除く34県で解除される方向で調整に入った。新規感染者が減少傾向にあるためだが、制限緩和で再び患者が急増すれば綱渡りの続く医療提供体制に負荷がかかりかねない。政府は「再始動」と「感染対策」の両立に難しいかじ取りを迫られることになる。(三宅陽子)

 政府が34県を含む全国に緊急事態宣言を拡大したのは、大型連休中の人の移動抑制を図る狙いがあった。対策は奏功しており、1日当たりの新規感染者はピーク時の約700人から200人程度に減少。34県では1~2週間「ゼロ」を達成する例も多くなってきている。西村康稔経済再生担当相は10日の会見で、「宣言解除が視野に入る」と期待感を示した。

 一方、大型連休が明け、人出は戻りつつある。政府によると、渋谷センター街(東京)の人出は大型連休直前に感染拡大前と比べ91・2%減だったが、5月8日には79%減に。なんば駅(大阪)や博多駅(福岡)も8割台あった減少率は6割台に下がった。

 「国民の“自粛度”が逆回転を始めている」。専門家には、感染拡大に対する危機感もにじむ。

 実際、「ロックダウン」(都市封鎖)解除の動きが進む海外では、その兆候もみられる。

 制限を緩和させている韓国では、ソウル市内のナイトクラブ訪問者を中心に集団感染が発生。80人以上の感染が判明した。店舗営業を再開させたドイツでも、流行時に感染者1人から平均何人にうつるかを示す「実効再生産数」の悪化が見られるという。

 国内でも今後、制限緩和が進んでいく見通しだが、病院や介護施設のほか、ライブハウスなどでひとたび集団感染が発生すれば、医療現場の逼迫(ひっぱく)度が一気に高まる恐れがある。

 厚生労働省の調査では東京や石川は病床の80%以上が患者で埋まり、北海道、群馬、富山、大阪、兵庫、福岡の6道府県も使用率が50%を超え、余裕のない状況が続く。

 東京医科大の濱田篤郎教授(渡航医学)は「感染の火種は各地でくすぶっている状況で、流行の第2波がやってくる可能性は残る。活動再開に当たっては業種ごとにガイドラインを作成して対策の徹底を図り、制限解除は感染リスクの低いものから、段階的に行っていく必要がある」と指摘。「感染拡大の兆候が見られたら、制限を再開させるなど状況に応じた柔軟な対応も求められる」と話した。

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