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ゼネコン各社で工事中断相次ぐ JR東海のリニアも

3月25日、報道関係者に初めて公開された、リニア中央新幹線の改良型試験車の先頭車両=山口県下松市の日立製作所笠戸事業所
3月25日、報道関係者に初めて公開された、リニア中央新幹線の改良型試験車の先頭車両=山口県下松市の日立製作所笠戸事業所

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響が、日本経済の根幹を担う建設現場にも及び始めた。緊急事態宣言を受けて、清水建設などは宣言の対象の7都府県で全工事を中断。さらに、JR東海も一部区間でリニア中央新幹線の工事を一時中断する方針だ。建設の現場は裾野が広いため、工事中断は雇用など広範囲に影響を及ぼす可能性もある。各社は作業員の安全を最優先する中、苦しい判断を迫られている。

 清水建設は13日、同社ホームページに、緊急事態宣言の対象の7都府県で全工事を止める方針を掲載した。都内の作業所で働いていた50代の男性社員が死亡後に新型コロナ陽性と判明したことも踏まえ、感染防止を優先。中止は宣言の終了までを想定し、工事の発注者らと調整する。

 西松建設は宣言を受け、8日から5月6日まで、7都府県で全工事を中断する。発注者との協議が整い次第、作業所を閉める。東急建設は9日に、7都府県の現場で全工事を中断する方針を発表した。同社の広報担当者は「施工を請け負う立場で工事を勝手には止められないが、企業として感染拡大の防止に責任を果たしたい」と話した。

 工事中断は、ゼネコン各社にとっては発注者側への工事遅延の補償や下請け工事会社の作業員への休業補償などが課題となる。赤羽一嘉国土交通相は14日の閣議後の会見で「(下請けへ)適切な工事請負代金の設定や支払いを行うよう、元請けと下請けの取引適正化に努めるよう求めている」と述べた。

 工事中断を決めたのは建設各社にとどまらない。JR東海は東京都と神奈川県内の一部区間でリニア中央新幹線の工事を一時中断。レオパレス21も施工不備物件の改修工事を休止する。JR東海は令和9年の「開通に影響はない」としており、レオパレスも2年中の改修完了の見通しを変更しない方針だが、先行きには不透明感も漂う。

 大和証券の寺岡秀明シニアアナリストは、工事の中断が5月6日までであればゼネコン各社の人件費などのコスト増は「数十億円程度にとどまり、各社の業績や国内経済への影響は限定的」と分析。その上で「大手の清水建設が中断することで、他のゼネコンも中断する可能性がある。また、緊急事態宣言が延長されて工事中断も長期化すれば、影響の範囲が広がりかねない」と指摘する。(大坪玲央、岡田美月)

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