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新興企業投資の危うさ露呈 ソフトバンクGが巨額赤字

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(鴨川一也撮影)
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(鴨川一也撮影)

 ソフトバンクグループ(SBG)の令和2年3月期の連結営業損益が13日、1兆3500億円の赤字となる見通しとなった。背景にあるのは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う投資先企業の株価下落だ。いまや投資会社となった同社は、巨額の借り入れを行って有望な新興企業に投資し、企業価値を高めて大きな利益を上げるビジネスモデルで成長してきたが、世界的な危機で“弱点”が浮き彫りになった。

 「ジャンクみたいな投資先も多いからね。こういう危機の状況では真っ先に売られる」。同社に詳しい関係者はそう語る。新型コロナが発生して以降、SBGの財務体質が悪化することへの懸念は高まっていた。各国の感染対策で世界のヒト・モノ・カネの流れが滞る中、財務基盤の弱いベンチャーはより大きな影響を受けるからだ。

 SBGは傘下に運用額10兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」を抱えるほか、アリババやスプリントなど保有する株式の資産が2月12日時点で約31兆円にも及ぶ、巨大な投資会社だ。それだけに世界的に株価が低迷すれば、投資先の企業価値の低下が相次ぎ、業績悪化の傷口も大きくなる。

 そのため、昨夏に6千円近くあったSBGの株価は、新型コロナの感染拡大とともに3月には一時2600円台にまで急降下。その後、多額の自社株買いを発表したことなどで株価は4千円台に回復するが、3月27日には有力投資先の英衛星通信会社「ワンウェブ」が破綻し、共有オフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーなど、SBGの他の投資先の経営も不安視されていた。

 格付け会社のムーディーズ・ジャパンは、財務改善へSBGが4・5兆円の資産売却を決めたことを受け、同社の格付けを2段階引き下げた上で「さらなる格下げ方向」と発表。金融市場の混乱が続く中、多くの新興企業に投資するSBGの資産価値と信用力はさらに悪化する可能性があるとみている。新型コロナの感染拡大で、SBGの経営は大きく揺らいでいる。(蕎麦谷里志)

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