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原油価格急落、二重の懸念で18年ぶり低水準 新型コロナとサウジ・ロシアの増産

記者会見する石油連盟の月岡隆会長=19日午後、東京都内
記者会見する石油連盟の月岡隆会長=19日午後、東京都内

 18日のニューヨーク原油先物相場は新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から急落し、指標の米国産標準油種(WTI)の4月渡しが前日比6・58ドル(24・4%)安の1バレル=20・37ドルと、2002年2月以来約18年1カ月ぶりの安値で取引を終えた。主要産油国のサウジアラビアとロシアの増産方針も供給過剰懸念に拍車を掛けた。低い水準が続けば株価下落や石油会社の経営圧迫を通じ、世界経済への影響が懸念される。

 「需要サイドと供給サイドの懸念がダブルで市場を覆っている」。石油連盟の月岡隆会長(出光興産会長)は19日の定例会見でこう述べた。

 需要面では、新型コロナの感染拡大で中国を中心に航空路線が減便し、ジェット燃料の需要が減少するなど実体経済の悪化を反映。各国で入国規制が敷かれるなど、経済活動の制限が世界中で強化されている。

 供給面では、産油国間の協調体制をめぐって対立が起こっている。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアをはじめとしたOPEC非加盟国は今月、閣僚級会合を開き、現行の日量170万バレルの協調減産規模を世界需要の約3%に相当する320万バレルに拡大した上で、期限を12月末まで延長する案を提示した。だが、世界市場での輸出シェア低下を懸念するロシアが提案を拒否。その後、ロシアに反発する形で、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが現行の日量970万バレルの生産を4月から日量1230万バレルに拡大すると発表した。

 原油安はガソリン価格値下がりなどの面で消費者には恩恵があるが、今回の事態は喜んでばかりはいられない。石油会社の業績悪化懸念や、「オイルマネー」を運用している産油国の政府系ファンドが投資資金を引き揚げるとの観測などから、ニューヨーク株式市場で主要株価指数の急落につながるなど、金融市場を動揺させているからだ。

 原油先物価格の先行きについて石油連盟の月岡氏は、「底値のタイミングや絶対値を見通すことは困難だ」と強調した。また、野村証券の大越龍文シニアエコノミストは、「10ドル台で推移して需要減退が続くことが鮮明になるか、30ドル台を回復するかが、今後の価格動向をみるのに重要な分(ぶん)水(すい)嶺(れい)となる」と指摘した。(飯田耕司、高橋寛次)

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