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リーマンショックと異質の危機 逆流始めた緩和マネーの歪み

日経平均株価2万円割れを示す株価ボード=9日午前、東京都中央区(松井英幸撮影)
日経平均株価2万円割れを示す株価ボード=9日午前、東京都中央区(松井英幸撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大が、世界の金融市場を揺るがしている。米国でも感染が拡大。世界経済を下支えすると期待されてきた米国経済への“楽観論”が一気に後退した。主要国の金融緩和に安心しきっていた投資家は不安に駆られ、リスクを回避する動きを鮮明にしている。ヒト・モノ・カネを回して拡大してきたグローバル経済に、逆流の兆しが現れた。

 「リーマン・ショック以来の衝撃だが、あのときの危機とは異質の動きだ」

 市場関係者の間では、2008年秋に世界同時株安を起こした金融危機と、現在の市場混乱の違いを指摘する声が聞こえる。

 リーマン・ショックでは、複雑な金融商品がだぶついたマネーを吸収して限界を超え、バブルが崩壊した。いわば、金融業の混乱が、製造業などの実体経済をむしばんだ。新興経済としての中国が、世界経済を下支えした経緯がある。

 だが、今回の“コロナショック”では、中国の工場閉鎖などで世界的なサプライチェーン(供給網)が断絶されモノの流れが停滞。渡航制限などによりヒトの交流も遮断された。実体経済が、カネの流れに影響を及ぼす、逆の動きを見せている。

 マネーの逃げ場として選ばれているのが、米国債や日本円だ。

 市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)のもう一段の追加利下げによる実質ゼロ金利政策を織り込み始めており、米10年物国債の利回りは9日、過去最低水準の0・3%台後半まで低下(債券価格は上昇)した。一方、「日本銀行にマイナス金利の深掘りは難しく、日米金利差は縮小する」との見方から、外国為替市場ではドルを売って円を買う動きが加速した。

 インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫氏は「新型コロナは終息が見えてくれば経済活動は元に戻るので、金融市場も安定を取り戻す」と指摘する。だが、気がかりなのはまだ終息時期が見通せないことだ。発生源の中国や、感染が本格化した米国が、グローバル経済を再び正常軌道に引き戻す役目を担えるかも分からない。リーマン・ショックを超える経済危機となる可能性がある。(米沢文)

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