PR

ニュース 経済

新型肺炎、感染拡大長期化なら大規模対策不可欠 “自粛経済”と二律背反の難しさも

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自民・公明両党は政府に経済対策の策定を求める方針だ。イベントの自粛などで今年前半の経済成長が落ち込むのは避けられないが、新型肺炎を短期間で押さえ込めさえすれば景気のV字回復が期待でき、必要な対策は小規模で済む。ただ、感染拡大が長期化し今夏の東京五輪の開催にも影響を与える事態になると、大型の経済対策が不可欠になりそうだ。

 第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、現時点で想定できる経済対策について、「大型の予算拡大を伴わない小型の対策」になると指摘する。

 政府のイベント自粛要請は、一時的な景気悪化を覚悟で感染急増を防ぐ短期決戦だ。“自粛経済”が東日本大震災並みに広がれば、今年前半の家計消費が2兆円超落ち込むとの試算もあるが、感染が収まれば景気は反転回復が見込める。

 これに対し、景気下支えのため新型肺炎の拡大前に策定した総合経済対策のうち、1月30日成立の令和元年度補正予算に盛り込まれた4・3兆円分がまず実施に移される。家計負担を軽減する高等教育無償化も4月に始まる。「当面必要なのは経営が悪化した企業のつなぎ融資や医療体制の拡充」(熊野氏)で、経済対策は限定的になるとみる。

 問題は当てが外れ感染拡大が長期化した場合だ。野村証券の美和卓チーフエコノミストの試算では、新型肺炎の収束が10~12月期まで遅れれば、中国経済の下振れによる輸出の減少や、東京五輪の中止も視野に入り、令和2年の実質国内総生産(GDP)成長率は前年比1・5%減のマイナス成長になる。

 日本銀行の片岡剛士審議委員も27日、大津市での講演で、感染拡大の影響が長引けば国内消費の「(回復)基調が一段と弱まる可能性を考慮しておく必要がある」と懸念を示した。

 美和氏は長期化シナリオの場合、政府が経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)をまとめる6月をめどに、大型の経済対策の策定方針が打ち出されるのではないかと指摘する。

 感染拡大の防止で経済活動を自粛すれば景気が冷え込み、大型の経済対策で景気を刺激すれば人々の往来が増え感染が拡大する二律背反の関係にある。ただ、国民の不安感解消や治療薬の開発など課題は山積。当面は予算規模ありきではなく、適切な対策を機動的に打ち出せるかが問われる。(田辺裕晶)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ