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「不信 かんぽ調査報告」(上) 統治不全、責任なすり合い

退出時、記者と言い合う日本郵政の長門正貢社長(右から2人目)=18日午後、東京都千代田区(萩原悠久人撮影)
退出時、記者と言い合う日本郵政の長門正貢社長(右から2人目)=18日午後、東京都千代田区(萩原悠久人撮影)

 18日に公表されたかんぽ生命保険の不適切販売についての調査報告からは、日本郵政グループにおける不正の実態とともに、グループ間や本社と現場の間などで情報が伝わらず、連携も不十分であるなど、分断された巨大組織の姿が浮き彫りになった。ガバナンス(企業統治)が効かない組織構造を放置した経営陣の責任は重いが、それを政治や官庁が見過ごしてきた構図にも問題はある。

 「当然、社内で調整してますよね」「社長は承知しているんですよね」。郵政グループ間の会議では、こうした言葉が頻繁に聞かれるようになった。念押しは相手に対する不信感の表れだ。不適切販売問題を機に「信用できない」と疑心暗鬼が強まっている。

 問題のあった保険販売をめぐっては、かんぽ生命関係者は「不正を働いたのはわれわれではなく郵便局員だ」と本音を漏らす。一方、日本郵便側も「委託元のかんぽはおかしな契約が分かるはずなのに指摘しなかった」と反論するなど、責任のなすりつけ合いが続く。

 顧客本位の意識やリスク感度が低く、業務の縦割りの意識から部門間の連携が不十分-。特別調査委員会の報告でも問題の背景について組織風土に関する要因が指摘された。「平成27年の持ち株会社と金融2社の上場を境目に、グループ運営の枠組みが希薄化した」と日本郵政幹部は語る。

 郵政グループには特殊な事情もある。24年の改正郵政民営化法で全国一律にサービスを展開する義務が郵便だけでなく貯金と保険にも定められ、グループ一体運営が求められた。それとは裏腹に、低金利で収益が悪化した金融2社は販売委託手数料の引き下げを求め郵便局網維持に苦しむ日本郵便と度々衝突。「各社に遠心力が働き連携が形骸化した」(日本郵政幹部)。

 本来はこうした場面で子会社同士がうまく連携できるようにグリップするのが持ち株会社の役割だが「まったくできていない」と関係者は口をそろえる。

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