PR

ニュース 経済

【経済インサイド】眠っている企業のお金を動かせ 「官製M&A」はいばらの道

 デジタル技術でアジアの社会課題解決に商機を見いだそうと、日本企業は国内外で投資に動き出してはいる。中でも、改革の波が押し寄せる自動車業界は、トヨタ自動車がシンガポールの配車サービス大手のグラブに1000億円強を出資したほか、三菱商事や三菱自動車もインドネシアでバイクや車の配車サービスを通じ、料理宅配や買い物代行を手がけるゴジェックに出資した。

 各社とも米国のシリコンバレーなどで企業投資ファンドを設立し、自動運転など新技術の目利き力を高めるが、現実は手探りの状態だ。

 経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は「具体的に(デジタル革新を)社会実装しようとすると、明るい話だけではなく、業界再編や企業の新陳代謝など痛みを伴う部分を加速しないといけない」と指摘する。

 実際、社会インフラなどの提案力を武器にしたサービスへの転換を図る日立製作所は、日立物流や日立キャピタルの売却に続き、このほど上場子会社の日立化成の売却も明らかになった。まずは、原資を確保しないと、大型M&Aができないからだ。

 経団連は11月に中西会長の肝いりで「デジタルトランスフォーメーション(DX)会議」を立ち上げた。それぞれの企業が痛みを伴う構造改革に切り込むと同時に、経済界で情報を共有し、デジタル技術を使ってアジアの消費や社会インフラ市場を開拓できるか。その具体的な議論に着手した。スタートアップとの連携や新技術への投資のあり方に加え、人材のあり方も議論する。

 このような攻めのM&A投資を実現するには、新卒一括採用や終身雇用などの日本型経営からの脱却が不可欠。税制による支援を契機に、官民が膝をつき合わせて知恵を絞る必要がある。(経済本部 上原すみ子)

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ