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【経済インサイド】国内の社債発行額、リーマン以降で最高へ 社債デビュー組も

 また、社債の役割について、SMBC日興証券デット・シンジケート部の新堂尚紀部長は「知名度や不特定多数の投資家の評価を反映する企業の通信簿だ」と解く。今年は日清製粉グループ本社や東海カーボンなど、社債市場にデビューする銘柄も目立った。高い格付けを得られれば、営業活動や銀行からの借り入れがしやすくなるなどのメリットを享受できる。

 年限も長期化してきた。今年はついに国債の最長年限40年を超える50年社債が登場。三菱地所、JR東日本、大阪ガスと、いずれも長期で事業展開を行うインフラ系の会社が発行した。

利回り求めて貪欲に

 一方、超低金利で運用難が続く投資家側の事情は深刻だ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券デット・キャピタル・マーケット部の池崎陽大部長は「より利回りを貪欲に求めるようになり、国債の代わりに社債を買う動きが強まっている」と話す。

 トヨタファイナンスは10月、実質0%で社債を出した。財投機関債では、日本学生支援機構が一足早く9月にマイナス利回りで債券を発行した。「さらに利回りが低い国債で運用するよりもマシ」(市場関係者)という理由で買われているのだ。

 「ハイイールド債」と呼ばれる格付けの低い社債も出てきた。日本企業として初めてハイイールド債を出したのは、消費者金融大手のアイフル。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が投資基準を緩和したことがきっかけで、他の投資家の需要も見込めるようになり、発行にこぎ着けた。

 日銀がマイナス金利の深掘りに踏み切れば、社債の発行ペースはさらに加速することが予想される。市場の一部では、“社債バブル”の懸念もささやかれる。

 大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは「日本で社債を発行している企業のほとんどは信用力の高い企業だ」として、バブルには遠いとの立場だ。その上で、大橋氏は「日本企業は資金調達で長らく銀行に頼ってきた。社債や株式を発行し市場を通した資金調達が増えることは、企業に財務戦略の柔軟性をもたらす」として、社債市場の拡大を歓迎する。(経済本部 米沢文)

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