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インド、オフィス・住宅に商機 住友不動産など日系が次々参入 

 インドの不動産開発が注目されている。米国勢が先行する中、住友不動産は今年7月、最大商業都市のムンバイでオフィスビル開発事業に参入すると発表した。日本企業のインドにおける開発案件は工業団地の整備が中心だったが、オフィスビル用の土地選定から開発、賃貸まで一貫して手がけるケースは珍しい。

 住友商事や三菱商事も昨年、それぞれ住宅開発事業で参画した。インドは世界有数の鉄道・高速道路大国だけに、沿線の不動産開発の商機も期待されている。(上原すみ子)

 住友不動産は、ムンバイ中心部の新都心地区(バンドラ・クルラ・コンプレックス)にある1万2486平方メートルの土地の借地権(80年間)を約358億円で取得した。この地域では、最大級で「土地の手当てから複合開発につなげる国内のノウハウを活用した、本格的な初の海外事業」と意気込む。

 周辺はインド準備銀行(中央銀行)本店など金融機関が多く立地し、オフィス不足で賃料は上昇中。日本政府が支援する、グジャラート州の州都アーメダバードまでを約2時間で結ぶ高速鉄道の始発・終着駅へ徒歩8分の好立地で、ゼネコンなどが水面下で同事業への参画を目指す動きもある。

 住友商事は昨年、現地企業とともに、首都ニューデリーに近いハリヤナ州のマンション開発・分譲事業への参画を発表。三菱商事は、現地企業が手がける南部チェンナイの住宅開発事業へ出資し、販売は好調だという。

 インドのモディ政権は住宅供給に注力してきたが、2017年に施行した不動産規制法(RERA)で、住宅建設の乱開発を防ぐために開発業者に工期順守を求めた。施工管理が強みの日本企業には追い風だ。

 先行する米金融のブラックストーングループの傘下企業が今年3月、インド初の不動産投資信託(REIT)を発行するなど、投資環境も整いつつある。

 三菱商事は17年、官民ファンドの海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)や東日本高速道路(ネクスコ東日本)などと、インドで有料高速道路の運営会社に参画すると発表。「将来は現地パートナーと組み、沿線開発など都市開発の商機も探りたい」(三菱商事)としている。

 インドは年率6%の経済成長が続き、財閥による大型開発もめじろ押しだ。モディ首相は、デジタル技術を活用したスマートシティ構想も打ち出す。

 ただ、権利取得には課題も多い。土地の権利登録には、数十年の履歴の権利調査が必要なケースもある。ゼネコンらで構成する海外建設協会は今年2月、会員企業とムンバイやハリヤナ州などの都市開発を視察。「課題克服には、優良な地元パートナーとの連携が不可欠。日本ブランドの優位性をどうアピールできるかも重要だ」(同協会の鈴木恵海外事業部部長)と話す。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)も、「地方自治体から紹介を受けるなど、綿密な事業計画が必要だ」(海外調査部)と助言している。

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