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【アシックス発 オリパラ奮闘記】メダルデザインに込められた意味

1968年のメキシコ五輪の銀メダル
1968年のメキシコ五輪の銀メダル

 先日、JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE(ジャパン・スポーツ・オリンピック・スクエア)内にある「日本オリンピックミュージアム」に行ってきました。古代オリンピックに始まり、近代オリンピック第1回大会から現在に至るまでの歴史の変遷が丁寧に説明されていて、大変興味深いものでした。

 そもそも古代オリンピックは、戦争や疫病の苦しみから逃れるために平和を祈ったことから始まります。

 今コラムでも何度か紹介していますが、私の父はマラソンで3度オリンピックに出場した君原健二です。幼い頃は、父との関係は正直円満とはいえず、普段は会話もほとんどないような状態でした。そんな中、たまに父が家に来たお客さんや取材時に見せていたオリンピックの銀メダル(1968年メキシコ五輪男子マラソン2位)には、強い印象を受けたことを記憶しています。単純にカッコ良く、その色、デザイン、重さから、何か他のメダルとはまったく違うオーラ的なものを幼いながらに感じました。

 父が現役時代の頃のオリンピックメダルのデザインは各大会共通でした。表面には競技場の上に座る勝利の女神ニケが描かれています。右手にはオリーブ冠を左手にシュロの枝を持っています。オリーブに関しては、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスがまだ樹木も生えていなかったオリンピアに理想郷からオリーブの木を持ち帰った伝説があり、富が優勝者のまわりに集まるなどの意味があるといわれています。

 裏面には古代オリンピックの英雄ディアゴラスが2人の息子に抱えられている姿が描かれています。こちらもディアゴラスが左手にまたシュロの枝を持っています。シュロは土地の条件を選ばず、また弾性に富み、押さえても反発して戻ってくるなど強靱(きょうじん)な樹種であることから勝者にふさわしいと考えられています。

 本当に正確なところは正直わかりませんが、父からメダルを見せてもらったときに、このような話をよく聞いたことを覚えています。ちなみにシュロの花言葉には「勝利」、「不変の友情」などがあります。

 現在のオリンピックには商業的な一面もあるかもしれませんが、ミュージアムを見学して、久しぶりに「平和の祭典」や「高潔性」などオリンピックやスポーツの本質的な部分にあらためて触れることができ、大変有意義な機会となりました。

 (君原嘉朗=アシックス2020東京オリンピック・パラリンピック室室長)

 きみはら・よしろう 昭和46年6月10日生まれ、福岡県出身。平成6年にアシックスに入社し、27年から現職。ミュージアムにはこれまでオリンピックに出場した選手の一覧が掲載されているコーナーもあり、しっかりと父の名前も3カ所記載されていました。 

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