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個人情報売る時代 高まる適切管理への関心 利用価値の両立課題

 個人から購買履歴などのデータを預かって企業に提供する「情報銀行」事業は、個人情報の適切な管理と、企業が対価を払ってでも手に入れたいと思うだけの情報の価値を両立できるかが課題だ。現在は「GAFA」と呼ばれる米IT大手4社がサービスを無料提供する代わりに膨大なデータを握っており、世界に類がない情報銀行事業を日本勢が軌道に乗せ、反転攻勢に出られるか注目される。

 「遺言や年金データを管理してきた信託銀行が、プライバシーを守りつつ個人情報に新たな価値を見つけて提供する。そういうマーケットが来春以降できる」

 三菱UFJ信託の田中利宏FinTech(フィンテック)推進室長は産経新聞の取材に対し、こう強調した。

 情報銀行では利用者が同意した情報しか企業に提供されない。データの使い道を通知しないGAFAや、就職情報サイト「リクナビ」による内定辞退率の無断販売問題を背景に、不透明な情報提供への不信感は強く、適切な情報管理で利用者の納得や安心を得られれば普及に弾みがつく。

 一方、企業側からみれば入手が難しい情報でなければ価値がない。情報銀行には電通のグループ企業が昨年7月に参入済みで、来春の銀行法改正後は金融業界の参入も相次ぐとみられるため差別化が重要になる。

 三菱UFJ信託は新部署で外部採用者を活用し、利用者が情報銀行を使いたくなる「ストーリー」(田中氏)を描き出す考えだ。例えばキャリア志向の30歳女性なら、体験型の「コト消費」を重視する化粧品会社と結びつけ、個人情報への金銭的な対価に加え、個々の体質や生活習慣を踏まえた栄養や代謝などのアドバイスを提供したいと呼びかけることなどを想定する。

 情報銀行には見通せない部分も多い。肝心の個人情報の相場は、付加価値の高さや企業の需要次第で変動するため「まだ分からない」(田中氏)という。ただ、将来的には昼食時にお金が足りなくなった人が企業に個人情報を売って得た収入で会計を済ますような使い方も想定しており、定着すれば日本人の日常を変える可能性を秘めている。

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