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日米貿易協定「包括」に進むか

7日、米ホワイトハウスで行われた日米貿易協定の署名式に出席した(手前左から)杉山晋輔駐米大使、ライトハイザー通商代表、トランプ大統領(AP)
7日、米ホワイトハウスで行われた日米貿易協定の署名式に出席した(手前左から)杉山晋輔駐米大使、ライトハイザー通商代表、トランプ大統領(AP)

 日米貿易協定が正式に署名されたことで、今後、臨時国会で協定案が承認されれば、来年1月1日に発効する流れとなる。その後は、包括的な協定の締結に向け、自動車関税の撤廃協議のほか、サービスや投資分野などについての第2弾の交渉が焦点となる。日米は、貿易協定の発効後4カ月以内に交渉を始めるか協議する。(飯田耕司)

 米国側は、特に強みの金融などのサービス分野の日本市場開放に向けて交渉を始めたいもようで、トランプ米大統領は、「包括的な協定を達成するため、残る分野について日本と協議する」と、9月25日の安倍晋三首相との最終合意時の署名式で話した。

 日本側も、関税撤廃が見送られた自動車についての再協議を始めたい考え。米国が離脱する前の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)では、米国側が日本から輸入する自動車に課している2・5%の関税を25年かけて段階的に撤廃し、自動車関連部品の9割近い品目で関税の即時撤廃などが決まっていた。日本側は、この水準をベースに交渉するとみられる。

 だが、日本側は、第2弾の交渉で、自動車関税撤廃に踏み込めば、「農業分野で米国が無理な要求を繰り返してくる可能性が高い」(政府関係者)との声も根強く、今後の再協議には及び腰だ。日米貿易協定の共同声明にも「交渉を開始する意図がある」とあえて、「意図」を盛り込ませるなど消極性をにじませたのもこのためとされる。

 加えて、日本側は牛肉や小麦などで交渉カードを切ってしまっているため、日本側の主張を通せるか見通せないという事情もある。

 米国にとっても、報復関税の発動など先行きが見通せない中国や欧州連合(EU)との貿易交渉を優先させたいトランプ氏にとって、既に協定を結んだ日本の重要度は格段に低くなったとされる。トランプ氏の包括協定に向け協議するとの発言は、「協定の締結を要求する議会に対するアピール」との見方があり、協議への関心は薄れているともいわれている。日本政策投資銀行の宮永径経済調査室長は「包括協議が実施されたとしても、米大統領選の後になるだろう」と分析している。

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