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【一筆多論】豚コレラ拡大は“人災”だ 佐々木類

 岐阜県内は縫製工場の下請け工場が多く、中国からの出稼ぎ労働者が少なくない。決めつけることはできないが、彼らが大陸から持ち込んだソーセージの残滓(ざんし)が豚コレラウイルスに汚染されていた疑いがあると中間まとめは言っている。

 入管や税関レベルで日中両国が緊密に連絡を取り合っていたという。

 だが、肉製品の日本国内への持ち込みが禁じられていることや中国国内で豚コレラとアフリカ豚コレラが蔓延していることなど、日中両国を往来する人々への周知や啓発活動が十分だったとは言い難い。

 今年3月下旬、千葉県の成田空港の動物検疫所を訪ねた。探知犬が旅客のカバンを嗅ぎ回り、肉製品を摘発していた。手作業での水際作戦である。発見には限界もあろう。最近、豚肉製品から韓国にも感染拡大中で、ワクチンのないアフリカ豚コレラの検出が止まらないのが不気味だ。

 イノシシ対策も後手に回った。豚コレラへの対処方策を定めた国の防疫指針でイノシシへの対処は未整備だった。飼育豚へワクチン接種を進めても、感染イノシシ対策に万全を期さねばいつまでも収束しない。

 接種に慎重姿勢を貫いてきた国は、関東地方への拡大を機にようやくワクチン接種を決めた。接種豚肉の買い控えなど風評被害を防ぐため、消費者への周知や啓発活動も大切だ。

 養豚農家だけの問題ではなく、消費者の理解も欠かせない。今こそ、国を挙げた取り組みが必要だ。(論説副委員長)

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