PR

ニュース 経済

AIに従うことの危険性 「正しい意思決定」という幻想から抜け出すには?

 ビッグデータを生かして新たな知見を得るためには、どうすればいいのでしょうか。かつて米Amazon.comでチーフサイエンティストを務めた経験があるアンドレアス・ワイガンド氏は、ITmedia NEWSのインタビューで「データ分析に必要なのは好奇心と人間の観察です」と語りました。

 データや数字に振り回されて本質を見失うと、どれだけ高度な手法を用いてデータを分析しても満足いく結果は得られません。ワイガンド氏は著書「Data For The People(邦題:アマゾノミクス データ・サイエンティストはこう考える)」の中で、データサイエンティストとしての心構えだけでなく、消費者である私たち一人ひとりがどのようにデータと向き合うべきかについても解説しています。

 AIが私たちの意思決定に影響を及ぼす時代に何が起きるのでしょうか。そして、日々世間をにぎわす個人情報漏えいなどのプライバシー問題について、何を考えるべきなのでしょうか。ZOZOテクノロジーズのデータサイエンスアドバイザーに就任し、9月に来日したワイガンド氏に聞きました。

 AIが意思決定することの危うさ

 --データやAIの活用に苦戦する企業が多い一方で、ECサイトのレコメンドを始め、AIが人間の意思決定をサポートする場面は増えてきています。AIの指示に従うことで誤った意思決定をしてしまう危険性はないのでしょうか。

 今あなたは「誤った意思決定」と言いましたが、何をもって「誤った」と言っていますか。

 --例えばアパレル商品を扱うECサイトなら、時代遅れの服やユーザーからの評価が低い服などをお勧めすることが考えられます。

 なるほど。今ちょうどZOZOテクノロジーズの社員がオフィスを歩いているのが見えますが、彼らが着ている服を「間違っている」といえるでしょうか。変わった服を着ている場合、その人に道徳的な責任はあるのでしょうか。

 それよりも、ある意思決定が人々にどのような影響を与えるかを考えたほうがいいでしょう。財務、健康、そして政治といった分野で間違った意思決定をすると大変なことになります。フェイクニュースは人々に多大な影響を与えますよね。ファッションについては、仮に間違えたとしてもそれがどのような影響を人に与えるかには疑問が残ります。

 --意思決定が与える影響を考えるのは重要ですね。しかし、どんな影響があるにせよ、AIの指示に従うことで私たちが不利益を被ってはいけないと思うんです。

 そもそも「私たちは良い意思決定をしている」と考えること自体が幻想ではないでしょうか。例えば医療の領域では、機械が人間より良い判断をしているのではないかといわれはじめています。(AIを使うことで)医師が事実に基づいて正しい判断をしているという幻想から覚めたんです。

 私たちはこの先、誰を信頼すれば良いでしょうか。Yahoo!やGoogleで検索した結果にどこまで信頼性がありますか。世界はたった30年ほどで劇的に変わりました。私が幼いころに学校で学んだことと、Wikipediaに載っている内容には乖離(かいり)があるんです。こうした問題は、誰もが考えなければならないでしょう。

続きを読む

関連ニュース

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ