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【松本真由美の環境・エネルギーDiary】次世代の革新的太陽電池の可能性 

ペロブスカイト太陽電池(PSC)のミニモジュール
ペロブスカイト太陽電池(PSC)のミニモジュール

 世界的に普及が進みつつある太陽電池は、平成30年末の世界の設置容量が500ギガワットを超えました。その主流は現在、結晶シリコンを使ったものですが、ペロブスカイト太陽電池(PSC)と呼ばれる新しいタイプの太陽電池が、世界的に注目されています。東大研究チームが、PSCのミニモジュールで最高変換効率を達成し、話題になりました。今回は、この次世代の革新的太陽電池PSCの可能性について探りたいと思います。

世界で熾烈な研究開発競争

 PSCは、発電層に有機金属ハライドペロブスカイトを用いた太陽電池の総称です。シリコンの結晶をスライスして作るシリコン太陽電池とは製造方法がまったく異なり、ペロブスカイトの原料をインクのように基盤材料に塗って作るため、フィルム状の軽くて曲げられる太陽電池も簡単に作ることができます。フィルム状太陽電池は、既存の太陽電池では設置が難しかった場所にも設置できる上、PSCの場合にはシリコン太陽電池並みの高効率が期待されることから、次世代の高性能低コスト太陽電池の本命として世界で熾烈な研究開発競争が繰り広げられています。平成27年から始まったNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の産学連携プロジェクト「ペロブスカイト系革新的低製造コスト太陽電池の研究開発」で、東大研究チームが最高変換効率を達成しました。プロジェクトリーダーを務める東大大学院総合文化研究科・広域科学専攻広域システム科学系の瀬川浩司教授に話をうかがいました。

 --世界が開発競争を演じる背景と日本企業の対応は

 「PSCは、超低コストで超高性能が実現可能と考えられているからです。海外ではすでに太陽光発電が十分安いエネルギー源になっていますが、それよりさらに安くなります。PSCは、モジュール価格だけでなく設置費も安くできます。例えば、現状で何十キログラムもの重さがある太陽電池を屋根に設置するには2人以上での作業が必要ですが、ロール・ツー・ロール方式(ロール状の基板を使った生産方式)で作った軽量のPSCの場合、設置作業は1人でも短時間で簡単にできます」

 「PSC、すでにCIGS(銅、インジウム、ガリウム、セレンが主原料)やCdTe(カドミウムとテルルの化合物)などの化合物半導体太陽電池を超える変換効率を実現しています。単結晶シリコン太陽電池と比べると変換効率は少し下回りますが、2、3年のうちにPSCの変換効率がシリコン太陽電池を上回り27%になる可能性が高い。タンデムにすれば30%は軽く超えるでしょう。最近の太陽電池の国際学会では、発表の半分以上がPSCの関連研究です」

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