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【経済インサイド】ヤフーVSアスクル、対立の背景はソフトバンクGの親子上場

記者会見するアスクルの独立役員会の戸田一雄独立社外取締役(右端)ら=7月23日、東京都中央区(植村光貴撮影)
記者会見するアスクルの独立役員会の戸田一雄独立社外取締役(右端)ら=7月23日、東京都中央区(植村光貴撮影)

 突如として表面化したインターネット通販事業「ロハコ」をめぐるアスクルとヤフーの対立。業績改善を最優先にとりつく島もないヤフー側に過半の議決権を握られたアスクルは、世論を味方につけようと内情を暴露するプレスリリースを連発した。対立は、親子上場という日本の企業が抱える資本関係の問題にまで論点を広げながら泥沼化したが、アスクルのカリスマ社長の退任という異例のトップ交代で第1幕は閉じた。

 ヤフーとアスクルは業務・資本提携を結び、ロハコを運営してきた。事の発端は今年1月、ヤフーがアスクルにロハコ事業のヤフーへの譲渡について検討を依頼したことに始まる。ロハコ事業の切り離しは、アスクルの出身母体のプラス(東京)の社長で、アスクルの社外取締役も務める今泉公二氏が強く主張したとされる。

 アスクルは譲渡を否定し、ヤフー側もいったんは了承したものの、ヤフーの川辺健太郎社長が6月に直接、アスクルの岩田彰一郎社長に退陣を要請したのをきっかけに、両社の関係は急速に悪化した。

 背景には、孫正義氏率いるソフトバンクグループ(SBG)の重層的な組織構造がある。5月にソフトバンクがヤフーの子会社化を表明したことで、SBGを親に、ソフトバンクが子、ヤフーが孫となる関係ができあがった。ヤフー傘下のアスクルは、SBGからみると“ひ孫”にあたる。

 ヤフーは10月、Zホールディングスという名称の持株会社体制に移行する予定で、組織再編のまっただ中。ネット通販のてこ入れは最重要課題の一つだ。

 米アマゾンという巨大な敵が立ちはだかり、国内の最大のライバルの楽天は10月に携帯電話事業に参入し、事業拡充を加速させようとしている。中古品市場ではヤフオクがフリーマーケットアプリのメルカリに押され、競争は激化する一方だ。

 平成31年5月期のロハコ事業は、売上高が前年同期比23・1%増の513億円と高い成長率を残した一方で、営業損益は85億円の赤字と、法人向け事業で稼いだアスクルの営業利益の半分以上を食いつぶす結果となっている。24年の事業開始から続くロハコの赤字は、SBG全体としても見過ごせない額になっているのも事実だ。

 一方で、ロハコは独自性の高い品揃えなどで、大量消費を促すアマゾンなどとは一線を画す方針に舵を切ったばかり。社内では岩田氏のリーダーシップへの期待が高まっていた。

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