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【ビジネス解読】アプリで配車、乗り合いバス 次世代移動「MaaS」の“落とし穴” 

森ビルが実施した実証実験(同社提供)
森ビルが実施した実証実験(同社提供)

 IT(情報技術)を活用し、地域の公共交通や移動サービスを使いやすくする次世代移動サービス「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」をめぐっては、国内の自動車メーカーやIT企業の参入が相次ぐなど、導入元年とされる。だが、人口減少・超高齢化社会の日本ならではの課題が普及の“落とし穴”となっている。

 利用者がスマートフォンなどのアプリから配車を依頼すると、最先端の情報処理技術を使って最適な運行ルートを走るシャトルバスのサービス「オンデマンド型シャトルサービス」が近々、日本にも上陸するかもしれない。

 このシャトルサービスを運営しているのは、米ニューヨークに本社のあるヴィアだ。アプリを通じて、現在地と目的地を設定すると、複数の乗車希望者の目的地や車両の空き状況、渋滞情報などさまざまな情報を瞬時に把握し、最適なルートや乗降場所が決められる。

 既存のバスと違い、決まった路線はなく、利用者は無数の乗降場所を利用できる。一方で、利用者は指定された乗車場所まで自ら移動し、目的地に近い場所で乗り降りをしなければならない点が、既存のバスやタクシーと異なる。少しの移動を乗客に受け入れてもらうことで、効率的な運行や交通渋滞の解消が可能になるという。

 ヴィアのサービスは、ニューヨークやシカゴ、ロンドン、パリなど世界80カ所で約200万人が登録している。導入事例では、自動運転を利用した高齢過疎地の運転士不足の問題を解決したほか、電気自動車(EV)を利用した温室効果ガスの削減、公共バスの利用客増などの効果が報告されている。

 国内では、森ビルが7月までの1年間、ヴィアのサービスを使った実証実験を行った。社員約1300人を対象に、7人乗りのワゴン車4台で実験を行い、出退勤や外出などの移動手段として無償で提供。1日の利用者数は、実証当初の120~130人から、後半になると当初比の約1・5倍に増えた。朝の通勤ラッシュを避けるためや、地下鉄の乗り換えで時間がかかってしまう場所への移動手段とするなど、既存の交通機関の利用より快適な移動体験の知見が得られたという。

 森ビルは「高齢化の進展で移動弱者が増えていることや、渋滞による経済損失などの社会的課題を解決し、ライフスタイルを変えるターニングポイントとなる」とみる。今後、実証結果を自治体や交通事業者に提供することで、交通渋滞や環境負荷など、都市交通が抱える課題の解決に寄与する。数年後には、都心の交通機関が格段に快適になっているかもしれない。

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