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【松本真由美の環境・エネルギーDiary】FIT制度の抜本見直し IEAの論客が日本へ提言語る

欧州はFITからFIPへ移行

 欧州ではFIT制度のもと、再エネ導入量と補助金の管理という課題に繰り返し直面しました。太陽光の設備容量の増加は11年ごろ、ピークに達し、以降、普及スピードが鈍化しましたが、ここ1、2年は堅調に伸びています。

 フランクル氏は、FIT制度からFIP(Feed-in Premium)制度へ移行する欧州の状況を説明しました。FIP制度は、再エネ電力を卸電力市場に直接販売し、卸電力価格に市場プレミアムを上乗せする仕組みで、ドイツ、イタリア、オランダ、スイス、デンマーク、スペインなどで導入されています。

 変動型FIPと固定型FIPの2タイプがあり、変動型は、卸電力市場の価格の上下に応じて付与するプレミアム価格が変動します。卸価格の変動による収益への影響を低減でき、売電収入の予見可能性が高まるとされています。

 一方、固定型は、売電単価が市場価格に完全に連動するため、卸電力価格の変動に再エネ発電事業者の利益が左右され、売電収入の予見可能性は低下します。しかし、電力需要の大きい時間帯(卸電力価格が高くなる可能性がある時間帯)に再エネ供給インセンティブが高まるメリットがあります。

 ドイツは、再エネ電力の市場取引を進めるため、変動型FIP制度を12年から導入しました。また、再エネ発電事業者が相対取引で直接売電することも促進しています。14年8月の改正法により、一定規模以上の新規の再エネ設備については、直接販売と変動型FIP制度の適用を段階的に義務化しています。

 FIT制度では、通常要する費用を基礎に内部収益率を勘案して算定された調達価格で、長期間、送配電事業者が再エネ電力を買い取ることが保証され、投資回収の予見可能性が強固に確保されています。

 FIT制度の根幹は、「買取義務」「収入の予見可能性」「インバランス(需給予測の外れ)リスクを負わない」ことです。すべての再エネ電力を一定期間、一定価格で買い取ってもらえ、再エネ発電事業者にインバランスリスクは発生しません。

 16年4月から導入された計画値同時同量制度により、発電事業者は、30分単位で電力需要の計画値に応じた電力供給が求められ、発電計画の作成や発電インバランスリスクに関するコストを原則負担しなければいけません。

 しかし、FIT電源には特例措置が導入され、再エネ発電事業者にインバランスリスクは発生しません。再エネ発電事業者に代わり、一般送配電事業者または小売電気事業者が発電計画とインバランスのコストを担います。

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