PR

ニュース 経済

イグノーベル賞研究実用化も応援 講談社が新プロジェクト

2012年のイグノーベル賞受賞時に作成したスピーチジャマーの模型
2012年のイグノーベル賞受賞時に作成したスピーチジャマーの模型

 講談社の自然科学分野の新書レーベルとして知られる「ブルーバックス」。同社は26日、自然科学の現場で活躍する研究者を支援するため、ブルーバックスの名前を冠にしたサービス「ブルーバックス・アウトリーチ(BBO)」を開始した。第一弾は、おしゃべりな人を邪魔する銃「スピーチジャマー」で2012年にイグノーベル賞を受賞した日本人の研究を応援するプロジェクトだ。

 BBOは、インターネット上で公開するアイデアに対して賛同者から小口で資金を募るサービス「クラウドファンディング(CF)」の手法と、電子商取引の仕組みを組み合わせたもので、講談社が研究者と一般ユーザー(支援者)の仲介役となる。

 第一事業戦略部の長尾洋一郎副部長は「一般的なCFは起案者が商品の製造や発送を直接行わなければならず、研究者にはハードルが高い。BBOはこうした手間を講談社が肩代わりすることで、研究者はアイデアを出すだけで支援を受けられ研究に専念でき、支援者は最新の研究を基に作られた製品や研究成果の報告を受け取るなどの見返りが得られる」と説明する。

 同社がこうした取り組みを始めるのは、大学などで自然科学分野の研究資金を得るのが難しくなっていることや公的資金になじまない研究があるなど、以前に比べ研究環境が厳しくなっていることがある。また、出版不況で紙の本が売れない中、これまで本の出版を通じて届けていた自然科学分野の研究を、インターネットを通じて、ほしい人により詳しく届けたいという考えもあった。

 ユニークな研究支援として同社が対象としたのは、栗原一貴・津田塾大教授と塚田浩二・はこだて未来大准教授が2012年にイグノーベル賞を受賞した「スピーチジャマー」の実用化だ。

 イグノーベル賞は、世界中からえりすぐりの「人を笑わせ、そして考えさせる研究」に贈られる学術賞だが、栗原教授は「そのような研究は、すぐ売れるから、あるいはすぐに社会の役に立つから予算をください、というような従来の資金調達の方法では苦戦することが結構ある」と打ち明け、BBOでの資金集めにチャレンジし、活路を見いだすことにしたという。支援者への見返りは、2人の研究報告書閲覧の権利やスピーチジャマーのキットなど。

 長尾副部長は「BBOで、研究者に『より気軽に研究を発信するアウトリーチの機会』、支援者に『ここでしか触れることのできない科学の楽しみ方』を提供することで、みんなが科学に参加し盛り上がれる場になれば」と期待を寄せている。  (文化部 平沢裕子)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ