PR

ニュース 経済

日銀決定会合 日米の金利差縮小ですぐ円高に? そう単純ではない為替相場のメカニズム

金融政策決定会合後に記者会見する日銀の黒田総裁=30日午後、日銀本店
金融政策決定会合後に記者会見する日銀の黒田総裁=30日午後、日銀本店

 日本銀行が30日の金融政策決定会合で政策を据え置いたのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が31日に利下げしても急速な円高にはならないだろうとの読みが背景にある。日米の金利差縮小は投資家が円買いを進める大きな理由の一つだが、他にも相場の変動にはさまざまな要因があるからだ。日銀はFRBの政策変更で為替市場がどう動くのか慎重に見極めることになる。(田辺裕晶)

 「市場関係者は既に7月利下げを織り込んでいる」

 日銀ではこうした見方が主流だ。市場の関心はFRBが利下げするか否かではなく、既に政策金利の下げ幅や年内の追加利下げの見通しに移った。大方の予想通り0・25%の利下げならサプライズにならず、円高も進まない可能性が高い。

 むしろ景気失速前の「予防的」利下げで米経済の好調が長期化するとみれば投資家がリスクを取る動きを強め、安全資産とされる円が売られドルを買う動きが強まり円安にもなり得る。

 一方、FRBが利下げに転じれば日米の金利差は縮小し、金利が高いドルで資産を運用してきたうまみは減る。ただ米国の政策金利は低水準といっても2・25~2・5%あり、多少利下げしても金利がほぼつかない円より運用益が出る。景気が悪化し利下げが継続する状況にならなければドル優位は揺るがず、機関投資家の円買いも加速しない。

 また、第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは、急激な円高になった2007年以降の米利下げ局面では、低金利通貨で調達した資産を高金利のドルで運用する「キャリー取引」の調達通貨は円だけだったと指摘する。今はユーロや英ポンドなども低金利で、投資家がリスク回避のためドルを売った際の資金流入先が分散されたことも円高が進みづらい原因だ。

 ただ、米中貿易摩擦は収束の兆しをみせず、トランプ米大統領は大幅な利下げを要求し続けている。FRBの動きが予防的なものに止まらず利下げが継続した場合、1ドル=100円を切るような円高が進むとの指摘もある。先行きの不透明感が強まり相場の流れを読むのも難しくなっている。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ