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米最長の景気拡大 金融緩和頼みの面も パウエル氏は景気継続に自信

10日、米議会で証言するFRBのパウエル議長=ワシントン(ロイター)
10日、米議会で証言するFRBのパウエル議長=ワシントン(ロイター)

 米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げへの流れが強まる米国は7月で景気拡大が11年目に入り、過去最長を更新したとみられている。失業率は歴史的な低さで、経済の好調さは底堅い。しかし過去の拡大局面に比べて今回は成長率の勢いを欠き、2008年の金融危機からの脱却を目指したFRBの金融緩和政策に支えられた側面も否めない。パウエル議長は「景気拡大の持続」を誓うとしているが、米中貿易摩擦をはじめ景気腰折れのリスクもくすぶっている。

 「景気拡大は11年目。失業率は約50年ぶりの低水準が15カ月も続いている」

 パウエル氏は10日、議会下院でそう述べ、好調な経済を維持する強い意向をのぞかせた。

 1~3月期の米実質国内総生産(GDP)の伸び率は年率換算で前期比3・1%増となった。一時10%を超えた失業率は6月に3・7%にまで低下している。08年のリーマン・ショックによる不況が底を打った09年7月から始まった今回の回復局面は、これまでの最長記録だった01年3月までの10年間を塗り替えたとみられている。ニューヨーク株式市場も最高値圏で推移しており、トランプ米大統領も「歴史的にみてベストだ」と誇る。

 ただ、過去の好景気時には4%超の年成長率をしばしば記録したが、今回は年1~2%程度が多い。物価上昇率もFRBが目指す2%近傍に届かない。景気に過熱感のない「低空飛行」は息の長い回復を可能にした要因でもあるが、パウエル氏は「経済の体温計」とされるインフレの低迷を懸念し、デフレに陥った日本に「学ぶ教訓が多い」とも言及。好景気を維持して物価を引き上げる政策の必要性を訴えた。

 一方、米中の貿易摩擦は先月29日の首脳会談で協議再開に合意し、一息ついた格好だ。だが、両国の立場は隔たりが大きく、摩擦再燃を恐れる企業は設備投資を手控えている。企業収益の悪化によって、米GDPの約7割を占める個人消費が冷え込むことになれば、最長の景気拡大もつかの間の記録となりかねない。

 FRBの政策金利は現在2・25~2・5%と歴史的には低水準だ。月末にも利下げすれば、将来の本格不況時に対応する利下げ余地を乏しくする危険と背中合わせだ。(ワシントン 塩原永久)

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