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かんぽ生命 顧客本位の意識欠き、信頼回復の道険し 

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 かんぽ生命保険が、不適切販売を繰り返していた問題で、不利益を受けた顧客への対応や再発防止策などを発表した。問題の温床となった営業社員への過大なノルマを改めるなど顧客本位の業務改善を進めるが、企業風土や社員の意識改革は容易ではない。日本郵政グループとしてのガバナンス(企業統治)不全も深刻で、信頼回復に向けた道のりは険しそうだ。(万福博之)

 「顧客に不利益が生じており、不適切な販売だった」。かんぽ生命の植平光彦社長は10日の記者会見で陳謝し、これまでの姿勢を一転させた。

 問題が発覚した後の6月24日の会見では「不適切な販売ではない」と主張していた。だが、新たな事案が相次ぎ露呈して顧客に不安や不満が広がり、認めざるを得なくなった形だ。後手に回る対応から問題に対する認識の甘さがにじむ。

 そもそも、かんぽ生命は平成29年10月に入院時の保険金を上乗せする医療特約の新商品などを発売した後に乗り換え契約がそれ以前の2倍に急増したことを把握。苦情も複数寄せられ、調査していた。金融庁も問題が表面化する前から対応などを求めていたようだ。だが、ここまで抜本的な手を打ってこなかった。

 19年の郵政民営化との関係を指摘する声もある。政府が間接出資するかんぽ生命は民業を圧迫しないよう新商品の発売に政府の認可が必要な「上乗せ規制」が課された。商品の競争力で大手生保に比べて足かせがある状態で、販売を担う郵便局員らには過度なノルマが課され、無理な販売が常態化したとみられる。顧客の3割弱を占める70歳以上への売り込みが強引だったとの指摘もあり、営業現場の状況を放置してきた経営陣の責任も重い。

 日本郵政グループの企業構造も無関係ではなそうだ。かんぽ生命とゆうちょ銀行の金融2社が収益の大半を稼ぎ、日本郵便の郵便局の維持コストを支えている。ゆうちょ銀でも先月、高齢者向けの投資信託販売で社内ルール違反が発覚するなど、親会社の日本郵政が金融2社にガバナンスを十分効かせられなかった恐れもある。

 政府は今秋にも57%保有する日本郵政株を追加売却する予定だが、不祥事が相次ぎ、株価は低迷。10日の東京株式市場では、かんぽ生命の株価が27年11月の上場以来の最安値を更新した。郵政グループの民営化プロセスにも大きな狂いが生じそうだ。

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