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増税対策6兆円超でも消費悪化懸念   

「あらゆる施策を総動員」して増税対策を講じている安倍晋三首相=9日午前、首相官邸(春名中撮影)
「あらゆる施策を総動員」して増税対策を講じている安倍晋三首相=9日午前、首相官邸(春名中撮影)

 消費税増税で懸念されるのは増税後の消費の落ち込みだ。過去の増税時でも経済が低迷するきっかけとなっており、同じ轍(てつ)を踏まないよう政府は「あらゆる施策を総動員」(安倍晋三首相)し、6兆円超の手厚い対策を講じている。ただ、米中貿易摩擦などで経済の先行きに不透明感が高まる中、思うような効果が得られるか予断を許さない。

 消費税増税に備え、政府が令和元年度予算に盛り込んだ対策費はキャッシュレス決済に伴うポイント還元(約2798億円)など約2兆円に上る。ほかにも、住宅ローン減税の拡充など税制上の支援(約3千億円)や軽減税率制度(約1兆1000億円)を導入。増税で増える税収の一部を幼児教育の無償化(約7764億円)に充てるなど、充実した対策が並ぶ。

 総額は約6兆6000億円で、政府の試算では10%へ税率を引き上げた場合に生じる国民負担約6兆3000億円を上回っている。

 しかし、こうした政府の試算について「すべてが増税後の消費につながるわけではない」と、疑問視する声も上がっている。公共事業による景気刺激策の国土強靱(きょうじん)化対策(約1兆3475億円)など、家計に直接恩恵が及ばない対策が含まれているからだ。幼児教育の無償化などでお金が浮いても一部は貯蓄に回ることも想定され、政府の思惑通り増税後の消費が増加するとはかぎらない。

 実際、消費者の節約志向は高まっている。日本チェーンストア協会によると、5月の全国スーパー売上高は、既存店ベースで前年同月比0・7%減と2カ月連続のマイナスだった。キリンビールの布施孝之社長も「節約志向で(ビールよりも安い)新ジャンルが求められている」と話す。

 米中貿易摩擦が長期化し、日本経済への悪影響が拡大すれば、節約志向はさらに増すことも予想される。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎主席研究員は「前回8%に増税したときよりも経済環境は悪い。政府は対策を講じているが、一定程度は経済が下振れするだろう」と指摘している。(蕎麦谷里志)

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