PR

ニュース 経済

骨太方針素案「給付と負担」具体策踏み込まず

 経済財政諮問会議で発言する安倍首相(左から2人目)=11日午後、首相官邸
 経済財政諮問会議で発言する安倍首相(左から2人目)=11日午後、首相官邸

 骨太方針の素案には社会保障改革も盛り込まれたが、高齢者への給付削減や負担増の具体策には踏み込まなかった。7月に予定される参院選を前に、有権者に痛みを強いる議論を先延ばしした格好だ。秋以降も憲法改正など国民の広い支持が必要なテーマが山積しており、改革にどこまで踏み込めるか、安倍晋三政権の覚悟が問われている。

 今回の素案は政府が昨年12月にまとめた改革工程表にのっとったものだ。工程表は健康づくりや予防が中心で、後期高齢者の医療費の窓口負担引き上げなどは目標時期に触れなかった。

 素案も高齢者への給付と負担の見直しについて「工程表の内容に沿って検討を進める」と述べるにとどめる一方、「予防・健康づくりの推進」は数値目標などを明示。「2040(令和22)年までに健康寿命を男女ともに3年以上延伸」「生活習慣病などの予防のため、23(令和5)年までに特定健診の実施率は70%に向上」など、だれも反対しそうにない目標ばかりだ。

 「給付と負担のあり方を含め社会保障の総合的かつ重点的に取り組むべき政策」は来年の骨太方針で取りまとめると記述。政府関係者は参院選後の秋以降に医療や年金などの抜本的な改革を進めるとしている。

 だが、安倍首相が改正憲法施行の目標とする令和2年が目前に迫るなどし、国民の反発を生みかねない改革を政府が進められるのか、疑問視する声が有識者などから上がっている。

 高齢化で医療費や介護費が膨らむ中、元年度の国の一般会計予算は総額が初めて100兆円を超え、このうち社会保障費も約34兆円と、過去最大を更新した。税収が足りない部分を補う借金の額を示す国債発行残高は、元年度末に897兆円にまで達する見通しだ。改革が進まなければ、こうした状況はますます悪化することになる。

 また政府は財政健全化目標として7年度までに基礎的財政収支を黒字化することも掲げている。だが、大胆な改革がなければ達成は不可能で、またもや目標時期を先送りすることになりかねない。(山口暢彦)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ