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【検証エコノミー】水産物禁輸 完敗看過できず 日本、WTO改革へ強まる決意

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 安倍晋三首相が6月下旬に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会議で、世界貿易機関(WTO)改革を進展させる決意を強調している。WTO上級委員会で韓国政府による日本産水産物の輸入禁止をめぐる日本の主張が退けられた背景に、WTOの機能不全があるとみているからだ。改革を目指す日本の立場は他国からも一定の支持を獲得。しかし韓国は日本の姿勢に不信感を募らせており、日本は水産物の安全性に対する誤解の解消に向け、柔軟な対応も探っている。

◇上級委で逆転敗訴

 「高度な政治的判断が必要となる場面で、(通商問題の)専門家や弁護士事務所の判断に委ね過ぎてしまった」

 5月16日の自民党水産、外交両部会などの合同会議で、外務省幹部は反省点を述べた。

 問題になったのは4月11日にWTOの上級委が示した、韓国による福島など8県産の水産物の輸入禁止措置に関する判断だ。

 韓国は2011年3月の東京電力福島第1原子力発電所事故後、日本産水産物への輸入規制を順次導入。13年9月に規制をさらに強化した。日本は規制には科学的根拠がないとしてWTOに提訴し、1審にあたる紛争処理小委員会(パネル)は昨年2月、日本の主張を支持。しかし韓国の上訴を受けた上級委は、このパネルの判断を覆した。

 ◇韓国の作戦勝ち

 上級委での結果は、パネルで勝ち、まず負けることはないと高をくくっていた日本を尻目に、上級委に主張を訴え続けた韓国の作戦勝ちとの見方が出ている。

 パネルでは、日本が8県産の水産物の放射性物質が基準値を上回ったケースがないことなどを訴えて支持を得た。しかし韓国は上級委で「日本はサンプル検査の実測値だけで安全性を主張している」と強調。原発事故の処理が完結していない以上、いまだ食の安全は完全には保証されていないなどとした。

 上級委はこうした韓国の主張を受け入れ、パネルの判断を破棄。韓国による禁輸措置を容認した。一方、上級委は日本の水産物の安全性については否定せず、韓国の禁輸がWTO協定に整合的だと明示的に認めたわけでもなかった。

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