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骨太方針素案 就業促し人手不足を緩和、成長力底上げへ

経済財政諮問会議で発言する安倍晋三首相(左手前から2人目)=11日午後、首相官邸(春名中撮影)
経済財政諮問会議で発言する安倍晋三首相(左手前から2人目)=11日午後、首相官邸(春名中撮影)

 政府の経済財政諮問会議が11日示した骨太方針の素案は、不安定な働き方をしている人が少なくない「就職氷河期世代」への3年間の集中支援策のほか、高齢者の就業意欲をそいでいるとの批判もある「在職老齢年金制度」の将来的な廃止も視野に入れた見直しなどを盛り込んだ。夏の参院選を前に就業促進とその先にある所得向上に力点を置いた形だ。「人生100年時代」にも対応し、人手不足を緩和して成長力を底上げする狙いがうかがえる。

 「政府を挙げて取り組む初めての本格的な支援プログラムだ。3年間で30万人の正規雇用増と、これまでの実績の2倍のペースの目標を設定し、実現に向けて取り組む」。11日の諮問会議後の記者会見で茂木敏充経済再生担当相は、氷河期世代への集中支援策についてこう強調した。

 日本では人口動態が変化を遂げる。国立社会保障・人口問題研究所によると、出生率や死亡率を中位で推計した場合、平成27(2015)年に7728万人だった15~64歳の生産年齢人口は令和47(2065)年には4529万人まで減り、総人口に占める割合は51・4%と半分程度となる。一方、65歳以上の老年人口は47年に3381万人、総人口の38・4%に達し、実に2・6人に1人を占めるまでになるという。

 労働力の供給が先細っていけば、長い目でみた日本経済の成長力を映し出すといわれる「潜在成長率」を押し下げる圧力となる。素案は氷河期世代対策として非正規雇用などで働く人たちの支援を打ち出したが、深刻な人手不足の緩和とともに、氷河期世代の所得を底上げし、成長力を下支えすることを視野に入れている。

 また、一定額の収入がある受給者の年金を減額する結果、高齢者の就業意欲を阻害しているとの批判もある在職老齢年金については、将来的な廃止も展望しつつ、在り方を見直す。人生100年時代を見据え高齢者の就業を後押しするとともに、税金や保険料を支払う人を増やして社会保障の支え手を広げたいとの思惑がうかがえる。

 政府は5日の未来投資会議で示した新たな成長戦略の素案でも、希望者が70歳まで働き続ける環境の整備を盛り込み、高齢者の就業を促している。ただ、在職老齢年金の廃止は、一度に行えば巨額な財源が必要となる側面もあり、今後の調整には曲折もありそうだ。(森田晶宏)

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