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G20、反保護主義盛り込めず 問われる日本の指導力

 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、米巨大IT企業への「デジタル課税」など新しい取り組みを打ち出すことに成功し、まとめ役となった日本の手腕は評価できそうだ。ただ、世界経済のリスクの“元凶”である「保護主義」と戦うとの文言はG20貿易相会議と並び、共同声明に盛り込めなかった。下旬に大阪市で開かれるG20首脳会議(サミット)でどこまで自由貿易推進を打ち出せるか、日本のリーダーシップが問われている。(山口暢彦)

 デジタル課税は、「国内に物理的施設がない企業には課税できない」とするこれまでの国際課税ルールを大きく転換させるものだ。低税率国に利益を集めて課税を逃れるのを防ぐため法人実効税率の最低水準を設定することも、「各国の課税権の侵害にあたる」として反発が強かった問題で、今回、初めて実現に向け議論が進んだ。

 IT化の流れの中で急成長している新型のビジネスモデルが生む軋轢(あつれき)に、税務面から対処するのが狙いだ。このほか、調達の透明性などをうたったインフラ投資の国際原則の採択もG20としては初めてで、新興国を“借金漬け”にしている中国に国際社会として対峙(たいじ)する姿勢を鮮明にした。

 ただ、米中貿易摩擦に関しては、財務相の管轄外でもあり、直接取り上げなかった。麻生太郎財務相は閉幕後の記者会見で、「貿易収支(の問題の担当)は経済産業相」と述べたが、G20貿易相会議が9日に採択した共同声明にも、「反保護主義」は盛り込まれなかった。

 理由は米国への配慮だ。最大の同盟国である米国の対中強硬姿勢に、日本は真っ向から反対できない事情がある。各国も世界一の経済大国である米国とは対立しづらく、G20が訴えてきた反保護主義の文言が2018年12月の首脳宣言で削除されたのも米国に配慮した結果だ。

 G20財務相会議では、多くの参加国から米中摩擦への懸念の声が上がったという。こうした声をできるだけくみ取り、サミットの首脳宣言に反映するため、議長国・日本の役割はますます重要となる。

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