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【経済インサイド】EV時代の到来に「待った」 トヨタ、虎の子技術を開放する深慮

 寺師氏は30年の世界販売に占めるEVの比率に関し、「部品メーカーや自動車メーカーなどから話を聞いていると、20%前後という所だ」と打ち明けた。そして、「エンジン車を全部HVに置き換えれば、(その分、CO2を削減できるため)規制対応で20%必要なEVの比率を10%にすることができる」と話した。

■HVが“世界標準”

 ここに、トヨタの本当の狙いが浮かび上がる。それは、HVをEVの追随を許さないエコカーの“世界標準”として広く普及させることだ。言い換えると、HV時代を盛り上げ、いつかは来るとされるEV時代の到来をできるだけ、遅らせることにほかならない。「30年で10%」なら、EV時代はそれより後ということになるが、その頃はトヨタが得意とするFCVが普及する環境も整っている可能性がある。

 多くの自動車メーカーにとって、電池のコストがかさむEVの比率が高まることは問題で、従来の車をEVに置き換えるほど、収益性が悪化する。しかも、EV時代が来ればエンジン関連など、現在使われている部品の需要が急減するとともに日本勢が得意とする“すりあわせ”の必要性が小さくなる。トヨタグループの強さの源泉とされる部品メーカーなどとの緊密な系列構造の維持が難しくなりかねない。

 将来のEV比率を低く抑えることに関して寺師氏は「経営の観点で言うと、自分たちの戦い方の一つだ」と強調。トヨタの狙い通りに進めば、EVに注力しているVWや日産自動車などは戦略の修正を迫られる可能性もあり、世界での販売競争にも影響しそうだ。(経済本部 高橋寛次)

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