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農産品輸出の年1兆円目標、WTO敗訴が足かせ

G20農相会合後の記者会見を終え、出席者と握手する吉川農相(中央)=12日、新潟市
G20農相会合後の記者会見を終え、出席者と握手する吉川農相(中央)=12日、新潟市

 12日に閉幕した20カ国・地域(G20)農相会議で、日本は目標に掲げる農林水産物・食品の輸出額年1兆円の達成に向け、弾みを付けることを狙った。だが、水産物の輸入禁止措置をめぐり、世界貿易機関(WTO)上級委員会で日本が韓国に逆転敗訴したことが目標達成の足かせとなりかねない状況が続いている。

 「各国の閣僚に日本産食品の安全性をアピールできた」。吉川貴盛農林水産相は12日、会議の成果をこう強調した。

 東京電力福島第1原発事故を受けた日本産食品の輸入規制は現在も23カ国・地域で続いている。このため、日本は会議に伴う夕食会などで、福島県産の農産物・食品を振る舞ったほか、2国間協議で規制の撤廃や緩和を求めた。

 だが、韓国の禁輸措置をめぐる敗訴が日本産食品のイメージ回復を妨げ、日本の努力の足を引っ張る懸念は強い。

 原発事故後、韓国が福島など8県産水産物の輸入を禁止していることに、WTOの1審に当たる紛争処理小委員会(パネル)は昨年2月、禁輸は「不当な差別」と認めて是正を勧告。最終審に当たる上級委は先月、1審の判断を破棄する報告書を出し、日本側の逆転敗訴が確定した。

 これに対し、日本はWTOの紛争解決制度を問題視し、改革を各国と連携して進める方針。上級委が韓国の禁輸措置について協定違反かどうかを明示せず、日本産食品の安全性を否定していないにもかかわらず、禁輸措置を容認したためだ。安倍晋三首相は「紛争解決が機能するよう改革することが不可欠だ」とG20で議論する方針を示している。日本は、こうした改革の議論を通じ今回の上級委の判断の問題点も訴えることで、敗訴の悪影響を抑えたい考えだ。(飯田耕司)

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