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【ビジネス解読】地銀再編議論に「待った」 ベンチャー、地方創生支援で後押し

 地銀にとっては、通常の融資案件になじまないものや、創業して間もない事業者に対し、クラウドファンディングの活用を促し、事業成長や販路拡大などを支援できる。個人や事業者にとっても、夢を形にできる、まさにウィンウィンの関係だ。

 このほか、福岡銀行を傘下に持つふくおかフィナンシャルグループ(FFG)が、東京・八重洲に地元企業やベンチャー企業向けのサテライトオフィス(出先拠点)を設けた。地元企業が首都圏のベンチャーと提携して新ビジネスを立ち上げたり、ベンチャー企業が有力企業に育って融資先になったりすることを期待した取り組みだ。

■貸し出しで利益出せず

 地銀の経営状況をめぐっては、日銀のマイナス金利政策の導入により、貸し出し業務では利益が出せなくなっている。

 日銀は、4月の金融システムリポートで、「10年後には約6割の地銀の最終損益が赤字になる」との試算を公表した。収益力を向上させるためには、リスクの大きさに見合った貸し出し金利の確保や、手数料ビジネスの収益増加などを挙げた。金融庁も、担保に依存しない融資など、地場産業を育成する役割を求めている。日銀、金融庁ともに、統合、提携や他業態との連携などを選択肢として提言している。

 しかし、地銀側は「次の一手」を出しあぐねている。“優等生”といわれていたスルガ銀行の高収益を支えていた投資用不動産向け融資は、杜撰な審査が発覚して社会問題化した。同様のケースは他行にもあるとみられ、地銀全体が次のビジネスモデルを模索している。

 金融庁は昨年7月、「地域生産性向上支援チーム」を創設し、約10人の職員が全国を飛び回り、地元企業の悩みや金融機関に対する期待を聞いて回り、こうした情報を地銀と共有した。

 地銀が注力するITを使った新サービスは、融資額の増加と業務の効率化を同時に実現できる。The CFO Consultingの鈴木大徳社長は「地銀が都心の成長企業を地元に誘致するようになれば、地方創生につながる」と期待する。東京の有名店を地方都市の駅ビルに出店させれば、活性化につながるというわけだ。

 従来の発想に縛られず、地域と成長企業を結ぶプラットフォームを確立することが、地銀再生の一歩となる。(経済本部 鈴木正行)

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