PR

ニュース 経済

【令和経済のキーワード(5)】長門正貢日本郵政社長 「実行」と「実現」

インタビューに答える日本郵政の長門正貢社長=東京・大手町の日本郵政(酒巻俊介撮影)
インタビューに答える日本郵政の長門正貢社長=東京・大手町の日本郵政(酒巻俊介撮影)

 平成を振り返ると、日本経済は低迷し、世界ではオポチュニスト(日和見主義者)がやりたい放題、中国が台頭して野心をむき出しにするなど、さまざまな問題が顕在化する「問題提起」の時代だった。提供された課題に対してどう取り組むか、「実行」と「実現」が令和の時代のミッションだと思う。

 日本では平成元年に日経平均株価が3万8915円と史上最高値をつけ、早く4万円に行こうと言っていた。だが、バブル経済が崩壊して株価と地価の値下がりによる損失は約10年で1200兆円におよび、2年半の国内総生産(GDP)が吹っ飛んだ。その後の低迷は言ってみれば、この処理でもあった。

 日本経済の低迷は人口や生産性が伸びていないのも理由だ。日本の1人当たりGDPは26位まで落ちた。一方で人口が約500万人のシンガポールはトップ10であり、政策が良ければあのようになれる。人口はもう増えないので、アベノミクスで頑張って労働人口を増やし、生産性を上げるしかない。

 強い産業群をつくることも日本経済の課題となるだろう。世界の時価総額順位は元年に1位がNTT、2位が日本興業銀行(現みずほ銀行)でトップ10のうち日本企業が7社だったが、30年にはトップ10はゼロで、トヨタ自動車の35位が最上位。日本にリーディングインダストリーがなくなっている。

 有望なのは広い意味での情報産業だと思う。GAFA(ガーファ)と称される米巨大IT企業のように伸びている産業で勝負すべきだ。米アマゾン・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)も本屋をインターネットで始め、その後、大成功を収めたが、最初は今日の姿までは見えていなかったと思う。人ごとではなく、日本でも挑戦する人に出てきてほしい。

 楽天は携帯電話事業に参入するが、既存事業者とは違うクラウド技術による通信網構築を目指しており、このトライは面白い。勝負できるモデルになるかもしれない。できることから始め、選択と集中で良いものを伸ばしていくうちに新しい姿が出てくるはずだ。(談)

 ながと・まさつぐ 一橋大卒。昭和47年日本興業銀行(現みずほ銀行)。常務執行役員、富士重工業副社長、シティバンク銀行(現SMBC信託銀行)会長、ゆうちょ銀行社長などを経て平成28年から日本郵政社長。70歳。東京都出身。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ