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財政健全化不要論を牽制 財政審分科会

財政審の分科会に臨む榊原定征会長(中央)ら=17日午後、東京都千代田区
財政審の分科会に臨む榊原定征会長(中央)ら=17日午後、東京都千代田区

 財務省は17日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、新元号「令和」の時代に向けた財政再建の議論を始めた。昨年11月にまとめた建議(意見書)では、平成について「一段と財政を悪化させてしまった」と反省し、「新時代では同じ過ちを繰り返さない」としていた。17日の分科会ではこれを踏まえた論点を示し、有識者などから挙がる“財政再建不要論”を牽制した。 

 「平成の財政には悔いが残る。(分科会の委員は)みな危機意識を高めている」。分科会後の記者会見で増田寛也会長代理はこう述べた。

 財務省は分科会に示した論点で、流動性が高い金融資産を除いた政府の「純債務残高」の対国内総生産(GDP)比が152・8%と、イタリア(119・5%)、フランス(87・5%)などほかの主要国より高く、日本の財政状況は悪いと改めて指摘。また、海外投資家の国債保有割合は12・1%にとどまるものの、国債市場での海外投資家による売買は現物で36・1%、先物で62・9%に達し、海外投資家の動向次第で金利上昇が起こりうる状況であることを警告した。

 毎年度の予算で歳入を国債発行に頼る構造が続いていることについては、将来、国債費(元本の償還費と利払い費の合計)が歳出に占める比率が増し、「(財政支出の余地が狭まることで)必要性が高い政策の実現を妨げる」と分析した。

 財政支出の規模に関しては、社会保障以外の支出の対GDP比は平成27年で15・4%と、20年前の7年から2・9ポイント減ったが、イタリア(7ポイント減)、ドイツ(10・6ポイント減)などに及ばず、「諸外国と比べ緊縮財政とはいえない」(財務省幹部)とした。今後、少子高齢化が進むことに絡み、「生産性向上による成長を目指すのが当然だが、財政のあり方は中長期的視点に立った堅実な経済前提に立ち、考えることが基本」との考えも示した。

 また論点は、最近注目を浴びている、財政赤字容認の「現代貨幣理論(MMT)」にも言及。「極端な議論に陥ると財政規律を緩めることになり極めて危険。日本をその実験場にする考え方は持っていない」とした麻生太郎財務相の国会答弁や、同じく否定的な日銀の黒田東彦総裁、ノーベル賞経済学者らの見解を紹介し、財政再建に逆行する主張にくみしない姿勢を明確にした。

(山口暢彦)

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