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中国の景気回復は本物か 市場は楽観、過剰債務なお深刻

北京の証券会社で株価ボードを見る投資家。中国株は年初から上昇基調を維持している=8日(AP)
北京の証券会社で株価ボードを見る投資家。中国株は年初から上昇基調を維持している=8日(AP)

 中国経済をめぐっては、年初から株価上昇が続くなど景気回復への期待感が漂う。米中貿易協議が妥結に向かっているとの観測や、中国政府が景気対策強化にかじを切ったことが要因に挙げられ、一部では早くも景気の底打ちを指摘する楽観ムードもある。だが、個人消費など実体経済の改善には時間がかかるという見方が強いほか、景気対策という“カンフル剤”の投与に伴う経済リスクの再燃懸念もくすぶっている。

 「引き続き株価指数の上昇が見込まれる」。中国経済メディアの期貨日報(電子版)は14日、4~6月期も株価上昇を見込む強気の見通しを伝えた。

 中国株は今年に入って上昇基調を続けている。2018年に約25%の下落を記録した上海総合指数は、今月3日には約1年ぶりの高値水準となる3216・30を記録。年初来では約30%の上昇となった。

 株価を押し上げているのは米国との貿易協議妥結への期待の高まりで、期貨日報も「中米間の貿易摩擦もはっきりと緩和傾向がある」と強調する。加えて、昨年末から中国政府が景気下支えに本腰を入れ、金融緩和措置やインフラ投資、減税といった景気対策を相次いで打ち出していることが後押ししている。

 中国国家統計局が先月31日に発表した3月の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)も50・5と前月比で1・3ポイント改善。6カ月ぶりの高水準で、米ブルームバーグ通信は「中国経済は既に回復の兆しを見せている」という米投資銀行の分析を報じた。

 しかし、中国経済が本当に回復に転じたと判断するのは時期尚早とみられる。ロイター通信は、3月の人民元建て新規融資が市場予測を上回る1兆6900億元(約28兆円)と前月から急増したとした上で、「金融緩和の努力で与信の伸びは底入れしつつあるようだが、景気が急回復する可能性は低い」という市場の見方を伝えた。金融面の後押しが実体経済にまで及ぶには、まだまだ時間を要するという見立てが根強い。

 またロイターの記事は、銀行が融資基準を緩和すれば不良債権が増える恐れがあるというリスクも指摘する。中国では、08年のリーマン・ショック直後に打ち出した「4兆元景気対策」で、過剰債務などの構造問題が深刻化しており、今回も景気対策が行き過ぎれば経済リスク拡大につながると懸念されている。(三塚聖平)

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