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日米貿易交渉 米軟化の背後に農家の不満

16日、2日目の協議に向かう茂木経済再生相=ワシントン(共同)
16日、2日目の協議に向かう茂木経済再生相=ワシントン(共同)

 【ワシントン=塩原永久】新たな日米貿易交渉の初会合が「非常によい雰囲気」(茂木敏充経済再生担当相)の中で2日間の日程を終えた。米国内で自由貿易協定(FTA)締結の対日要求が根強いが、茂木氏らの交渉団は、当面の協議を農産物や自動車などの物品関税に絞る“日本ペース”に持ち込めたとの認識をにじませ、政府内には安堵(あんど)感も漂う。ただ、米議会を中心に強硬論も渦巻き、対立の火種は残っている。

 「協議を加速させたい」

 16日の閣僚折衝を終え、記者会見した茂木氏はそう語り、来週に再度訪米して米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と会談すると説明した。

 日米は昨年9月、新たな貿易協議の開始で合意。日本政府は日米の「物品貿易協定(TAG)」と呼び、交渉対象を農産品や自動車などの物品に限定する方針を示してきた。

 一方、米経済界では日本との2国間交渉の開始に際し、物品だけでなく、サービス分野なども含めた包括的なFTAを結び、日本市場をこじ開けるべきだとの声が強まっていた。

 初会合で日本は、貿易協定の対象について「物品以外に想定していない」と米国側に強調。米国の提案でデジタル貿易も話し合うことになったが、当面の交渉の対象範囲は、おおむね日本の主張通りになった。

 その背景には、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効で不利な競争条件を強いられた米農家の声がある。米産牛肉に38・5%の関税が課される一方、TPP参加国のオーストラリアなどへの関税は最終的に9%に下がる。「日本の顧客を失った」と不満を強める米畜産農家が、議員や政府に日本との早期妥結を求める圧力をかけ、USTRは交渉に数年を要する包括的FTAを当面は退けた。

 茂木氏は「(双方に恩恵がある)ウィン・ウィンの合意を目指す」と指摘。政府内からは、初会合が「思い通りとまでは言わないが、順調だった」との声が漏れる。

 ただ、米国では、日本が一定の市場開放を認めるとみられる農業分野は「入り口に過ぎない」(米議会関係者)と矛先を収める気配は乏しい。米政府が検討中の自動車関税についても、元USTR高官のカトラー氏は「トランプ政権が交渉の駆け引き手段として活用する(輸入車などへの)追加関税の脅しを手放すと考えにくい」と指摘し、日米交渉の攻防を予想する。

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