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【主張】豚コレラ水際対策 予防法の罰則強化を図れ

 岐阜、愛知両県は野生イノシシがウイルスを媒介するのを防ぐため、24日から山林でワクチン入り餌の埋設を始めた。

 長期戦となるワクチン埋設とともに重要となるのが、豚コレラ感染拡大を防止するための空港や港湾での水際対策だ。

 感染源となり得るソーセージやハムなどの畜産物が、旅行者によって海外から不正に持ち込まれているためだ。豚コレラの脅威はウイルスの侵入を一度でも許せば、封じ込めが極めて困難だという点にある。

 不正を承知で故意に肉製品を持ち込む者には家畜伝染病予防法を厳格に運用するとともに、同法の罰則の強化を求めたい。

 農林水産省によると、半数近くは禁止を承知で持ち込もうとしているという。海外から不正に肉類を持ち込んだ場合、同予防法で100万円以下の罰金か3年以下の懲役が科せられる。ただ、検疫の際に放棄した場合などは不問に付すケースがほとんどだ。

 輸入が禁じられているにもかかわらず、海外から日本に手荷物で持ち込まれた畜産物は昨年約9万4千件にも上った。このうち、豚コレラやアフリカ豚コレラ(ASF)が蔓延(まんえん)する中国からの持ち込みは約4万2千件と全体の約45%に上る。岐阜や愛知で見つかった豚コレラウイルスの遺伝子型は、中国で検出されたのと同じ2・1型である。

 さらに懸念されるのは、中国では、豚コレラに加えて、ASFも多発していることだ。ASFは、豚コレラと同様に致死率が高く、しかも豚コレラと違ってワクチンが存在しない。

 ASF遺伝子は日本各地の空港で、旅行者所有のソーセージなどから15件が検出されている。これらは探知犬が発見した件数で、氷山の一角とみられている。

 これらは、死んだウイルスだったため上陸を許しても感染が広がる恐れはなかった。ただ、生きたウイルスを含んだ肉製品が紛れ込んだらどうなるか。

 平成22年の宮崎県の口蹄疫(こうていえき)のように、パンデミック(爆発的な感染拡大)が起きかねない。

 探知犬は全国の主要7空港に33匹しかいない。中国など汚染国からの航空便客らの手荷物を重点的に検査中だが、博多港などには大型クルーズ船が頻繁に入港する。港湾にも探知犬を手厚く配置するなどの取り組みが必要である。

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