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【経済インサイド】「江戸っ子1号」 ものづくりの技で海洋権益守れ 深海に挑む

 今回の江戸っ子1号365はその経験を踏まえ、長期間にわたって撮影ができるようにさまざまな改良が施された。具体的にはバッテリーの数を増やしたほか、カメラやセンサー類も小型化を図り、電子基板も省電力性能に優れたタイプを採用した。

 この装置を使った海洋資源の調査技術の確立を目指しているのが、石油資源開発や地球科学総合研究所、新日鉄住金エンジニアリング、三菱マテリアルテクノの4社が共同で立ち上げた次世代海洋資源調査技術研究組合(J-MARES、東京都品川区)。地球科学総合研究所の河合展夫社長は「民間の持つ優れた技術が未知の領域が大きな海の世界でもきっと活躍できるはず」と期待を寄せる。

 江戸っ子1号365の開発からこれを使った深海探査技術の確立までの一連のプロジェクトは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムの「革新的深海資源調査技術」に採択されている。同プログラムのディレクターを務める石油資源開発の石井正一顧問は「江戸っ子1号の活躍によって世界から大きく注目されるような成果をあげることが、日本の海洋開発において革新的な意義をもたらすものと確信している」と語った。

 日本近海の排他的経済水域(EEZ)には水産物だけでなく、石油や天然ガス、レアアースといった豊富な鉱物資源があるとされている。しかしその水域の94%が水深6000メートル以下で、深海での海流の流れなどといった海洋資源の探索に必要なデータがほとんど得られていない。

 一方、中国や韓国などの近隣諸国がその資源を虎視眈々と狙い、調査船が島根県の竹島、沖縄県の尖閣諸島周辺を頻繁に航行している。江戸っ子1号365の開発の中心的な役割を担った岡本硝子の岡本毅社長は「この装置を使った深海探査技術が確立されれば、日本周辺の貴重なレアアースを使った特殊ガラスがより安価でつくれるようになるなど、ガラス産業のみならず、日本の産業全体にも大きな便益をもたらすはず」と話している。 (経済本部 松村信仁)

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