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【春闘】トヨタ、労使交渉や人事制度見直しへ “全員一律”を打破

平成31年春闘の回答について説明するトヨタ自動車総務・人事本部の上田達郎本部長(左)=13日、愛知県豊田市
平成31年春闘の回答について説明するトヨタ自動車総務・人事本部の上田達郎本部長(左)=13日、愛知県豊田市

 トヨタ自動車の平成31年春闘の回答からは、労使交渉のあり方や人事制度を大きく変えようとする同社の考えが浮かび上がる。今後、労使による「専門委員会」を立ち上げて従業員の処遇全般について議論し、「“全員一律”という慣習を打破する」とした。背景には、車両の電動化や自動化が進み、自動車会社のビジネスモデルが転換する「大変革期」への危機感があり、業界他社に波及する可能性もある。(高橋寛次)

 決着が集中回答日までもつれ込んだトヨタの春闘。経営側は年間一時金(賞与)を一括で回答するという慣例を破り、冬に関しては継続協議という異例の回答。前年に続き、基本給を底上げするベースアップ(ベア)の妥結額は非公表とした。

 新設の専門委員会について、愛知県豊田市で記者会見した総務・人事本部の上田達郎本部長は「(労使交渉の)目的は春闘をやることではなく、会社の発展と労働条件の向上で、日本のモノづくりが守られることだ」と指摘。「踏襲ではなくリセットして、『一番いい方法』を考える」と春闘交渉を抜本的に見直す考えを示唆した。

 背景には、次世代技術に巨額の研究開発費や設備投資が必要となる中、賃金に関しても一律ではなく、従業員の努力や成果を引き出すのに最適な使い方をしたいという問題意識がある。また、自動運転サービスなどで米国のアップルやグーグルが競争相手となる中、人事制度を改革して優秀な人材を獲得できる力を強めたい考えだ。

 他の自動車大手をみると、足元の業績を反映させる一時金は満額回答が相次いだ。しかし、自動車総連の高倉明会長が「経営が賃金引き上げに消極的だ」と話したように、ベアの水準は抑えられた。大変革期に備えるため、固定費の増大を避けようとする経営側の危機感があるとみられる。

 トヨタの豊田章男社長は13日、最後の労使交渉で改めて厳しい認識を示した。

 「皆さんが仕事のやり方を変えることができなければ、トヨタは終(しゅう)焉(えん)を迎えることになる」

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