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倒産寸前の町工場がタオルで大逆転! ヒットの秘密は「糸」と「伝え方」

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 糸が溶けないように、蒸気を当てる長さや温度などの調整を繰り返した。問題解決の糸口となったのは「機械への入れ方」だ。従来は糸を台車に載せて、そのままスチームアイロンに入れて蒸気を当てていた。だから蒸気が強く当たりすぎていたのだ。「段ボール箱に糸を入れて、箱に小さな穴を開けてから機械に入れてみると、糸が溶けだすのを防ぐことができました。社外の人からは『アナログなんですね』と驚かれます」(河合氏)

段ボール箱に糸を入れてから蒸気を当てている
段ボール箱に糸を入れてから蒸気を当てている

 そのような問題を一つ一つ解決して、タオル「エアーかおる」の発売にまでこぎつけたのは07年。スーパーゼロの開発から2年が経過していた。

 このころ、会社の業績はまさにどん底。会計士からは「3年後につぶれます」と宣告された。従業員を3分の1に、下請け先を半分に減らすリストラもやった。まさに背水の陣だった。

 「バスタオルの半分サイズ」が女性の心をつかむ

 しかし、苦労して生み出したエアーかおるも、当初は売れなかった。高級なタオルといえば、かつては贈答用が一般的で、自分のために買うことはあまりなかった。有名ブランドでなく、柄もついていないタオルが高く売れるわけがないと、タオル商社からはほとんど見向きもされない。

浅野撚糸 常務執行役員の河合達也氏
浅野撚糸 常務執行役員の河合達也氏

 「最初に販売された名古屋の大型雑貨店や百貨店には、従業員とその家族で自ら買いに行っていました。売れないと置いてもらえなくなるので……」(河合氏)。売れたのは月2500枚程度。赤字から抜け出せずにいた。

 そんな状況が3年続いた後、ついに転機が訪れる。新商品として、バスタオルの半分の大きさの「エニータイム」をラインアップに加えた。これが大ヒットしたのだ。

 なぜ、そんな中途半端な大きさの商品が売れたのか。商品自体を変えたわけではない。実はそれ以前にも、同じサイズの商品はあったが、月に数十枚しか売れていなかった。

バスタオルの半分サイズの「エニータイム」がヒットした
バスタオルの半分サイズの「エニータイム」がヒットした

 変えたのは、商品の「伝え方」だ。従来の打ち出し方は、「柔らかい」「吸水性が高い」という“機能”が中心だった。ただ、それでは実際にどのような場面でどのように使えば便利なのか、イメージしにくい。

 そこで、「バスタオルの半分のサイズなのに、髪の毛まで含めて全身をしっかりふける」ことを最大の売りにした。さらに、バスタオルよりも干すスペースが小さくて済むため、洗濯に大きな負担がかからないことも訴求ポイント。女性、特に主婦層に向けてメッセージを発信した。「バスタオルからの切り替え」という新しいニーズの掘り起こしを狙った。

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