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倒産寸前の町工場がタオルで大逆転! ヒットの秘密は「糸」と「伝え方」

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 スーパーゼロを使った生地は、水を通しやすい、柔らかい、乾きが早いなどといった特徴がある。それを生かして、有名ブランドの「洗えるスーツ」などに採用された。しかし、取引先の状況に左右されやすいビジネスモデルのままでは、長期的、安定的に利益を生むことは見込めない。

 「スーパーゼロを自分たちの手で売ることが必要だったのです」。常務執行役員の河合達也氏はそう振り返る。

 タオルとの“運命の出会い”

 さまざまな企業を訪問し、新しい糸の売り方を模索していたころ、浅野撚糸に“運命の出会い”があった。地元金融機関のビジネスマッチングを通じて紹介されたタオルメーカー、おぼろタオル(三重県津市)だ。

 おぼろタオルも浅野撚糸と同様に、縮小していく国内繊維産業で踏ん張ってきた。共通の経験や思いがある両社は意気投合。すぐに「スーパーゼロを使ってタオルを作ってみよう」という話になった。浅野撚糸としては、「ストレッチ性のある糸を生かしたタオルができるかもしれない」と期待し、試作を依頼した。

 ところが、出来上がったタオルは、予想とは大きく異なるものだった。

 タオルの生地は、縦糸と横糸で織った下地に、ループ状に糸を織り込む「パイル地」のものが一般的。浅野撚糸としては、下地となる縦糸と横糸にスーパーゼロを使ってもらうつもりでいた。しかし、おぼろタオルは“間違えて”、パイル部分に新しい糸を使っていた。

 「すごいタオルができました!」

 そう言われて見せられたのは、驚くほどふんわりとした柔らかいタオルだった。「タオルメーカーにとっては、パイルを工夫するのが自然な発想だったのでしょう。行き違いによって、偶然、柔らかいタオルができたのです」(河合氏)

スチームアイロンをかける前の糸。撚りが戻って縮れてしまう
スチームアイロンをかける前の糸。撚りが戻って縮れてしまう

 「これはすごい。これなら商品になる!」と盛り上がった。ところが、いざ量産化しようとすると、いくつもの壁が立ちはだかった。

 その一つが、撚りをかけた糸にスチームアイロンをかける工程にあった。なぜその工程があるかというと、撚りが戻って糸が縮れることを防ぐため、蒸気を当てて真っすぐにする必要があるからだ。

 だが、スーパーゼロをスチームアイロンの機械に入れると、織り込まれている水溶性の糸が蒸気によって溶けてしまい、糸と糸がくっついてしまうのだ。その状態のままタオルを織ろうとすると、糸が切れてしまう。

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