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自動車春闘、格差是正が焦点に 米中貿易摩擦が影

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 自動車大手の労働組合は13日、経営側に要求書を提出し、平成31年春闘交渉がスタートした。トヨタ自動車労働組合が、基本給を底上げするベースアップ(ベア)の要求額を明示せず、春闘の先導役は不在となる。労組側は格差是正をこれまで以上に重視するが、米中貿易摩擦など世界経済の状況は不透明感を増しており、交渉環境は厳しい。経営側は3月13日に集中回答する。(高橋寛次)

 自動車関連企業の労組でつくる自動車総連(1077組合、77万9千人)の高倉明会長は13日、東京都内で記者会見し、「賃金改善分(ベア)の上げ幅だけでなく、絶対額を重視した取り組みを従来以上に進める必要がある」と強調した。

 ホンダなど自動車大手7社の労組は月額3千円(以上)のベアを要求。トヨタ労組は全組合員平均で1万2千円の賃上げを求めた。ベアも含まれているが、具体額は示していない。国内最大の製造業として春闘交渉の相場形成をリードしてきたが、その“弊害”が目立っていたことが背景にある。交渉過程でトヨタのベア額が伝わると、中小企業の労使はそれを大きく上回る水準では妥結せず、格差是正が進まないという問題認識だ。

 日本総合研究所の山田久主席研究員は、大企業が先導役となる方式について、「かつては機能したが、経済のグローバル化などを背景に形骸化していた」と指摘する。

 ベアに関する労使の認識の隔たりは依然大きい。固定費の増大を嫌う経営側はもともと慎重姿勢だが、労組側がベアを前面に出さないのは、あくまで中小企業の賃上げ水準を高めるため。自動車総連の金子晃浩事務局長は「改善分も勝ち取っていかなければ、目指すべき水準に到達しない。これまでより改善分にこだわる」と述べた。

 また、高倉氏は会見で、英国の欧州連合(EU)離脱、米中貿易摩擦、日米通商交渉を挙げ、「先行き不透明感が強い」と厳しい交渉になる見通しを示した。実際、自動運転などの次世代技術への投資負担も増す中、経営側が慎重姿勢を崩すかは未知数だ。

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