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【経済インサイド】「オリオン買収」への沖縄県民感情に配慮 TOBの舞台裏

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記者会見するオリオンビールの与那嶺清社長=1月23日、沖縄県浦添市
記者会見するオリオンビールの与那嶺清社長=1月23日、沖縄県浦添市

 野村ホールディングス(HD)傘下の投資ファンドと米投資ファンドのカーライル・グループがオリオンビール(沖縄県浦添市)に対する株式の公開買い付け(TOB)を進めている。経営陣による自社買収(MBO)の一環で、営業力を強化して海外展開を加速し、地域経済の発展につなげるというストーリーを描く。実は当初、野村HDとカーライルは競合関係にあった。最終的に共同提案の形に落ち着いた背景には、会社の将来性のためだけでなく、複雑な県民感情への配慮があったという。

 ■米企業による「乗っ取り」?

 オリオンビールは沖縄がまだ米国占領下にあった1958年5月、「沖縄ビール株式会社」として設立。会社のホームページによると、「オリオン」の名称はビールの名称を一般公募して決まったという。3つ星のマークは今ではすっかり“全国区”だ。オリオンはブランド力を生かして、海外に進出し、ホテル事業にも乗り出すなど規模を拡大していった。

 そんな地元の有力企業がなぜ、MBOの道を選んだのか。それにはいくつかの理由がある。

 オリオンビールは米兵にも根強いファンがいるほど、沖縄で圧倒的なシェアを誇ってきた。ところが、最近は激しいシェア争いに巻き込まれ、営業力や消費者ニーズへの対応の遅れなどの課題があらわになってきた。海外事業も苦戦している。

 一方、会社設立から年月がたち、多くの株主が相続問題に直面するようになった。株主の高齢化や分散は今や多くの地方企業や中小企業が抱える問題だ。敵対的買収の脅威から会社を守るためにも、株式の取り扱いが新たな課題として認識されるようになった。

 こうした背景から、創業家一族がカーライルを始めとする複数のファンドに相談を持ち込み、今回の“買収劇”が始まった。

 あまりなじみのない米系ファンドが登場したことで、県民の間にも「米国の会社に乗っ取られる」との懸念が広がった。そこで現経営陣が頼ったのが普段からつき合いのある野村HDだった。カーライルは海外展開のノウハウやネットワークを生かした提案を行ったのに対し、野村HD側は投資銀行としての知見を生かしMBOを提案。最終的には、外資への警戒感が強い県民感情を受けたオリオン側からの要望で、野村HDが前面に出る形での共同提案とすることに話がまとまったという。

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