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【経済インサイド】老人ホーム紹介…生保が“おまけ”で勝負

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第一生命保険が提供する。認知症の早期発見ができるスマートフォン向けアプリ=1月20日、東京都渋谷区(林修太郎撮影)
第一生命保険が提供する。認知症の早期発見ができるスマートフォン向けアプリ=1月20日、東京都渋谷区(林修太郎撮影)

 生命保険会社が顧客向けに提供する健康支援などのシニア向けサービスの開発に知恵を絞っている。保険商品そのものだけでなく“おまけ”とも言えるサービスに経営資源を注ぐ背景には、商品だけでは差別化しにくい生保ならではの苦労がある。

 ■特色打ち出すため

 住友生命保険はアクサ生命保険と提携し、顧客に介護予防プログラムや介護施設を紹介するといった新サービスの開発に乗り出している。両社は昨年11月、東京都千代田区に新サービス創出を担う「ウェルエイジング共創ラボ」を設立し、12月には大阪市の老人ホーム紹介業「笑美面(えみめん)」と資本提携した。

 日本生命保険も老人ホーム入居や入院時に必要となる身元保証などを手がけるNPO法人を顧客に紹介する新たな取り組みを今年4月に始める。

 第一生命保険は目の動きで認知症の主な原因であるアルツハイマー症の早期発見ができるアプリを開発。明治安田生命保険も健康診断結果に基づき生活習慣についてアドバイスするアフターフォローサービスの「MY健活レポート」をスタートさせる予定だ。

 生保各社がこれらのサービス充実に力を入れるのは本業である保険の販売につなげたいからだ。保険商品は当局からの認可制となっており、奇抜な商品は開発しにくい。加えて優れた商品はすぐ他社に模倣されるため特色を打ち出しにくい。

 ある大手生保関係者は「保険でカバーできる範囲はどの社でも大差ない。商品性の違いは何に特化して保障するかという取捨選択による所が大きく、差別化はなかなか難しい」と語る。

 生保の世帯加入率が約9割という“保険大国”日本ならではの事情もありそうだ。生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」の平成30年度版によると、国内の生保の世帯加入率は88・7%。新たに加入する意向があるかを尋ねた設問では70・5%が「その考えは全くない」と答えた。

 加入意向がない理由としては「生命保険にはもう十分加入している」と回答した人が22・4%もいた。

 ■有望市場

 サービスの取り組みは今後の成長次第で保険事業と切り離して収益事業化することも考えられる。特に健康関連のサービスは生保の顧客層のコアである高齢者の関心が高く、本業との親和性もある。少子高齢化の進行で市場の一層の拡大も見込まれる。

 顧客にとって魅力的なサービスを提供していくことが今後より重要性の高い競争領域となる可能性がある。生保だけでは提供できないサービスを、ノウハウを持つ異業種とコラボして創出していく流れも加速していくとみられる。

 商品開発だけでなく、サービスについても競争が働けば、顧客の利便性向上につながる。ただ、どのサービスが自分に一番適しているのかを判断するのは容易ではない。契約者にとっては、今まで以上に内容を吟味して選ぶ必要に迫られそうだ。(経済本部 林修太郎)

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