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被災地再生の理想と現実 福島イノベーション・コースト構想

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日本郵便の実証実験で浪江郵便局に到着したドローン=2018年11月
日本郵便の実証実験で浪江郵便局に到着したドローン=2018年11月

 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故に見舞われ、なお復興途上にある福島県浜通り地域の再生をはかる「福島イノベーション・コースト構想」が、実証実験を加速させている。政府と県の研究会の提唱から5年、今や公道での自動運転技術やドローン輸送などを繰り返す。交通や物流の再建が課題の被災地には追い風だが、理念と現実の間にはなおギャップがある。

 構想は平成26年6月、県と経産省などの職員による「福島・国際研究産業都市構想研究会」が、「廃炉へのチャレンジ」「新しい産業基盤の構築」を提唱して始まった。メンバーには当時、副知事だった内堀雅雄知事もいた。その後、政府の「構想推進会議」が設置され、議論が本格化する。

 浜通り地域で動き始めたのは翌27年。以来、実施された実証実験は累計で170件。年々、増えている。施設も「福島ロボットテストフィールド」(南相馬市・浪江町)の32年度の全面開所、第1原発の燃料デブリ取り出しに関する研究施設「大熊分析・研究センター」などが整備された。

 実験の場はそこだけではなく「ロボット実証区域」に指定された市町村では市街地でも実験が行われている。目立つのが浪江町だ。

 同町は震災、津波で請戸地区などが甚大な被害を受け関連死を含め約600人が死亡(昨年9月現在)。さらに原発事故で29年3月まで全町避難を余儀なくされ、復興も途上だ。そんな町が今、公共交通機関の自動走行化試験の推進、食品・医薬品のドローン配送などの構想を掲げ積極的に実験の場を提供している。

 昨年12月には福島トヨペットとアプリ開発の会津ラボが自動運転技術の実証実験を行い、JR浪江駅と役場の往復2キロを移動、信号にもしっかり対応した。

 県ロボット産業推進室は「運転手不足と帰還者の運送手段確保は浜通りに共通した課題。自動運転実用化が有効な対策になれば」と期待を寄せる。町の帰還住民には車を持たない高齢者が多く、住民の足となる町営デマンドタクシーの利用者は、年間2千人以上という。2・52倍(昨年11月)という突出した有効求人倍率の浜通り地域の人手不足は明らかで、自動運転の実用化への期待は大きい。

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