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あおり運転にも対応 低価格化でドラレコ2カメラ時代に

 運転中の映像を記録するドライブレコーダーの需要が伸びている。きっかけとなったのは、2017年6月に発生した東名高速道路でのあおり運転事故だ。事故後も危険なあおり運転の被害は後を絶たず、いざという時の記録を残せるドライブレコーダーを設置する動きが強まった。特に最近は、前方だけでなく、後方の映像も記録する2カメラ型のドライブレコーダーが市場の主流になりつつあるという。

他人事でないあおり運転被害

 あおり運転は、後方を走る車が前方を走る車に異常接近し、クラクションを鳴らしたり、パッシングをしたりするなどして威圧する行為だ。東名高速道路の事故のように執拗な追い回しや幅寄せ、無理に割り込んで停車させるなどの過剰な行動に出ることも少なくない。中には暴力を振るわれたり、車を壊されたりするなど悪質な被害を受けるケースもみられる。

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 東名高速での事故後、警察は取り締まりを強化。車間距離の不保持の摘発件数は18年1~6月で6130件と前年同期に比べ倍増した。テレビなどで危険なあおり運転の被害映像が数多く報道されているが、一向に収まる気配がないのが実情だ。

 18年12月に山陽自動車道であったあおり運転では、自衛官の乗る車が50代の女性の乗る車に急接近やパッシングを繰り返した上、前方に割り込んで蛇行運転や低速走行を繰り返し、挙げ句、空き缶を路上に投げ捨て女性の車を停車させた。のちに逮捕された自衛官は、あおり運転をした理由を「道を譲ってもらえなかったから」と供述している。

 また、18年10月に宮城県であったあおり運転では、32歳の男が男性の乗る車に後方から急接近させるなどのあおり運転を繰り返した上、被害を受けた男性が車を止めて降りようとしたところを急発進して追突。さらに男性に殴りかかって逮捕された。「急いでいた」のが理由だった。

 あおり運転が怖いのは、自分に非がないのに突然、被害を受けてしまうことだ。制限速度を守っているのに、それを逆恨みされたり、何気なく進路変更したことが怒りを買うことになったり。ほんのささいなことがあおり運転のきっかけになってしまう。いつ自分の身に降りかかってもおかしくない問題だ。

ドライブレコーダーの需要拡大

 あおり運転の摘発にはドライブレコーダーの映像が立証の鍵となることが多い。

 山陽自動車道でのあおり運転では、ドライブレコーダーの映像を警察が解析して、あおり運転を行った自衛官を割り出した。18年5月、関越自動車道でトラックからあおり運転を受けた男性がけがを負った事故があったが、これもドライブレコーダーの映像記録が決め手となって逮捕につながった。

 東名高速での事故が大きく報道された17年10月以降、ドライブレコーダーの需要は急上昇し、カー用品店などでは一時、ドライブレコーダーの在庫切れが相次ぐほどだったという。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、18年4~9月の出荷台数は約165万台と昨年同期比で2倍に増加したが、その勢いは現在も続いている。特に、一連の報道に女性層が反応。女性ドライバーだけでなく、運転を夫に任せている主婦層もドライブレコーダーに強い関心を持つようになったという。

 需要は伸びているものの、一般の車両へのドライブレコーダーの装着率はまだ10%程度ともいわれている。これからドライブレコーダーを購入しよう考えている人はどんな機種を選んだ方がいいのか。ドライブレコーダー大手、ユピテル(本社・東京都港区)に最近のトレンドを聞いた。

後方の映像も鮮明に記録

「2カメラ型が市場の主流になりつつある」と語るユピテルの石橋篤マーケティング部ゼネラルマネジャー
「2カメラ型が市場の主流になりつつある」と語るユピテルの石橋篤マーケティング部ゼネラルマネジャー
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 ユピテルはカーナビケーションやカーセキュリティーなどの自動車用の電装機器メーカーで、09年からドライブレコーダー市場に本格参入し、コンシューマー向けでは古参になる。業界ではトップクラスのシェアを誇っており、18年9月の市場調査では、品質満足度、顧客満足度、アフターフォロー満足度の3分野でトップを獲得するなど評価は高く、実績と国内メーカーならではのサポート力がユーザーの支持を受けている。

 ユピテル・マーケティング部の石橋篤ゼネラルマネジャーは「あおり運転のような後方での危険に対応するなら、前方と後方の両方の映像を同時に記録できる2カメラ型のドライブレコーダーがいいですね。前方だけを記録する1カメラ型よりも一般的には割高ですが、最近、人気が急上昇しています」と指摘する。

 2カメラ型はフロントガラスに取り付け、進行方向の映像を記録するカメラに加え、もう一つ、リア(後方)ガラス用のカメラがある。後方のカメラはケーブルで前方のカメラにつなぎ、前後の両方の映像を同時に記録する。一般的な1カメラ型のドライブレコーダーの中には、映像を記録できる視野角が180度以上の機種もあるが、1つのカメラで後方の映像を鮮明に記録するのは難しい。後方にもドライブレコーダーのカメラがあれば、どんなひどいあおり運転が行われたか、鮮明に記録を残すことが可能になる。

 ただ、販売店価格で1~2万円で販売されている1カメラ型に比べ、2カメラ型は3万円前後が一般的。それでも1カメラ型をしのぐ勢いで需要が伸びており、「今後は2カメラ型がドライブレコーダー市場の主流になるとみています」と石橋ゼネラルマネジャーは分析する。

業界衝撃の価格を実現

 そんな中、ユピテルは今年1月、販売価格を抑えた普及タイプの2カメラ型ドライブレコーダー「DRY-TW7500d」の販売を始めた。価格はオープンだが、2万円前後で販売されており、高機能の1カメラ型とほぼ同等の価格を実現させた。

ユピテルが新たに投入する2カメラ型ドライブレコーダー
ユピテルが新たに投入する2カメラ型ドライブレコーダー
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 前方に設置するカメラは200万画素のフルハイビジョン、後方に取り付けるカメラは100万画素のハイビジョン画質で、車のナンバーなどを鮮明に録画できる画質を確保している。石橋ゼネラルマネジャーは「ドライブレコーダーの基本性能を押さえつつ、必要な機能に絞った仕様にすることで、価格を抑えることを可能にしました。2カメラ型には興味があっても『価格が高くて…』と二の足を踏んでいたお客さまでもこれなら検討していただける自信を持っています」と説明する。

 内蔵のGPSと連動し、日時や速度、走行軌跡などさまざまな情報を残せるほか、衝撃を検知する加速度センサーもしっかりと搭載。万が一の事故時も確実に映像を記録保存できる。前方のカメラは幅64ミリ、高さ49ミリ、奥行き38ミリと小型化。さらに後方のカメラはレンズ部可動式で、幅54ミリ、高さ25ミリと超コンパクトだ。運転席から見えにくい後方の視界を遮ることなく、スマートに設置できるという。

 また、別売りの駐車記録オプションを接続することで、駐車中の当て逃げやいたずらなどにも対応。最大12時間の記録が可能だ。また、後方のカメラを前方のカメラに接続するケーブルの長さも9メートルあり、ミニバンやSUV(スポーツ用多目的車)など車体が長いタイプの車両にも余裕を持って取り付けられる。カー用品店などのほか、インターネットでも販売中だ(販売サイトはこちら)。

 ドライブレコーダーは交通事故での過失割合の決定や示談交渉を有利に進めるための証拠としても活用できる。ユピテルが手に届きやすい低価格の2カメラ型ドライブレコーダーを投入したことで、不測の事故だけでなく危険なあおり運転への対策が取りやすい環境も整ってきた。2カメラ型を設置する車が増えることで、あおり運転そのものを抑止する効果も期待できそうだ。

DRY-TW7500d
価格オープン価格
保証期間1年
製品仕様電源電圧12V
ディスプレイ2.0インチ液晶
フロントカメラ200万画素Full HD
水平128度、垂直68度(対角153度)
リアカメラ100万画素 HD
水平82度、垂直45度(対角95度)
リアカメラケーブル9m
機能GPS
Gセンサー
HDR/WDR機能○※フロントカメラのみ
フレームレートフロント27.5fps/リア30fps

提供 株式会社ユピテル

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