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【主張】大間マグロ 安定した供給へ知恵絞れ

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 新年初競りで、青森県大間産クロマグロに史上最高3億3360万円の値がついて大きな話題を集めた。

 昨年開場した豊洲市場では初めて、平成最後というご祝儀感が相場を押し上げたといえよう。しかし喜んでばかりはいられない。昨年秋から続く津軽海峡での不漁はひと息ついたが、型は小さく、安定供給できているとは言い難い。

 食卓の王様ともいっていいクロマグロを、将来ともに安定して味わっていくためには、知恵を絞らなければならない。

 太平洋のクロマグロは乱獲による絶滅の恐れがあるとして、国際的な枠組みのなかで2015年から1年間の漁獲量に制限が加えられた。日本の漁獲量は、30キロ以上のクロマグロは1年間で4882トンと定められている。

 日本は目下、資源量が回復基調にあるとして漁獲枠の拡大を求めている。しかし、米国などの反対で実現にはいたっていない。国際的な承認が得られるまで、資源回復に向けて現行の漁獲量を順守することはいうまでもない。

 加えて、持続性を考慮して、30キロに満たない小型魚の操業自粛も徹底されるべきだ。大西洋クロマグロは操業休止を含めた厳しい資源管理で危機を脱した。大西洋に学ぶことは少なくない。

 回遊魚であるマグロ類はエサとなるアジやイワシ、イカなどを追って動き、漁獲量はエサの状況や海水温、海流など自然環境の変化に左右されがちだ。このため管理が難しく、地域によって大量漁獲があったり落ち込んだりする。

 これが早取り競争を過熱させ、漁獲枠を超過する要因ともなっている。資源保護へ、意識を高めていく必要がある。

 昨秋、改正された漁業法では個々の漁船にあらかじめ漁獲枠を配分しておく個別漁獲方式(IQ)が導入されることになった。欧米の方式にならい、漁船1隻あたりの漁獲枠を設ける。これにより早取り競争を抑制し、魚種の価値に応じた操業も可能とされる。

 量の抑制と質の担保という課題を解決する方策として今後の行方を見守りたい。一方、IQの割り当てで小規模漁業者が不利になってはならない。こうした漁業者保護も漁村活性化の課題だ。

 初競りの予想外の高値は、不安定な供給の表れでもある。そこを見落としてはならない。

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